普及版 字通 「徴(漢字)」の読み・字形・画数・意味
徴
常用漢字 14画
(旧字)
人名用漢字 15画
[字訓] めす・しるし・あらわれる
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
旧字はに作り、彳(てき)+(ちょう)+攴(ぼく)。彳(道路)において、(長髪の人)を攴(う)()つ形。長髪の人は長老とも、また巫女とも解されるが、要するにすぐれた呪的能力をもつもの。これを殴(う)って、敵方に対する懲罰的な行為として、味方の要求するところを徴し、あわせて懲罰を加える行為をいう。その効果のあらわれることを徴験という。これと同じ方法で、若い巫女をつことを(微)といい、これは敵方の呪力を微(な)くすることを目的とする。また同じ意味で、髑髏(どくろ)をつことを徼(きよう)といい、その呪霊を刺激して徼(もと)める意である。・・徼はみな相似た呪的行為を意味する字である。〔説文〕八上にを「召すなり」とし、の省に従う字で、「に行ひて而(しか)も聞するは、ち(め)すなり」(段注本)とするが、隠微の義を承けるものではなく、徴・微・徼は同種の呪儀をいう。は(懲)の初文。もと敵を懲らしめる行為であった。
[訓義]
1. こらしめる、もとめる、めす、めしよせる、とりたてる。
2. しるし、あかし、あかしをもとめる、あかしをたてる、といただす。
3. あらわれる、あらわす、明らかにする、つまびらか。
4. なる、なす、結果。
5. 澂(ちよう)と通じ、きよめる、すむ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 シルス・シルシ・ヤム・ハタル・アラハス・メス・モトム・ナス・ナル・タダス・トドム・モヨホス・シキス・セム・イマシム・タフトシ・トガ・カス/ ハバメオモフ 〔字鏡集〕 トドム・シキル・ハタス・コラス・タダス・モヨホス・アラハス・ケヤシ・シルシ・モトム・トガ・ヨシ・ナル・メス・ヤム・セム・タフトシ・アキラカ・イマシム・スク・カス・サス
[声系]
〔説文〕に声としてを収め、また澂をの省声とする。澂はまた澄に作る字である。
[語系]
・證(証)tjing、dingは声義近く、は長髪の人をって徴求するところを求め、その徴験を求める意。その心意に及ぼすことを懲という。
[熟語]
徴声▶・徴引▶・徴役▶・徴応▶・徴科▶・徴怪▶・徴会▶・徴勧▶・徴還▶・徴求▶・徴拠▶・徴挙▶・徴君▶・徴験▶・徴候▶・徴債▶・徴士▶・徴辞▶・徴収▶・徴集▶・徴書▶・徴祥▶・徴償▶・徴召▶・徴招▶・徴色▶・徴信▶・徴訊▶・徴瑞▶・徴迹▶・徴逐▶・徴兆▶・徴調▶・徴拝▶・徴発▶・徴抜▶・徴表▶・徴憑▶・徴賦▶・徴赴▶・徴符▶・徴聘▶・徴兵▶・徴辟▶・徴募▶・徴命▶・徴輸▶・徴用▶・徴庸▶・徴要▶・徴令▶・徴斂▶・徴賄▶
[下接語]
奇徴・吉徴・休徴・咎徴・宮徴・効徴・取徴・寿徴・庶徴・商徴・詔徴・象徴・瑞徴・清徴・追徴・特徴・納徴・敗徴・表徴・符徴・聘徴・変徴・夢徴・明徴
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報