(読み)マン

デジタル大辞泉 「満」の意味・読み・例文・類語

まん【満〔滿〕】[漢字項目]

[音]マン(呉) [訓]みちる みたす
学習漢字]4年
いっぱいになる。みちる。一定の数量や期限に達する。「満員満期満月満水満席満点満満満了満塁干満充満肥満未満
十分に足りて欠けたところがない。「満悦満喫満足円満不満豊満
全体に行き渡る。全部の。「満座満場満身満面
満州」の略。「満鉄満蒙まんもう
[名のり]あり・ます・まろ・みち・みつ・みつる
難読満天星どうだんつつじ満俺マンガン

まん【満】

みちること。いっぱいになること。
その年月をみたしていること。年齢などを数えるとき、実際に経過した年月でいうこと。「で数える」「二年」→数え足掛け

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精選版 日本国語大辞典 「満」の意味・読み・例文・類語

まん【満】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) みちること。いっぱいになること。不足がないこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「世をたもたせ給ふこと、かくて三十一年ばかりにやならせ給ひぬらん。今年は満六十におはしませば」(出典:大鏡(12C前)五)
    2. 「幼少の時の、なす態のそろひて、見風満なるは、幼きふるまひには不相応とや申べき」(出典:遊楽習道風見(1423‐28頃))
    3. [その他の文献]〔荘子‐列禦寇〕
  3. 年月が不足なくちょうどその数になっていること。また、年齢などを数えるとき、実際に経過した年月でいうこと。「満で三つ」
    1. [初出の実例]「規則には満十二歳以上なんて書てありますが」(出典:福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉一身一家経済の由来)

満の補助注記

の「大鏡」の例は、数え年の六〇歳を表し、満年齢の意ではない。還暦ゆえに特に年齢が満ちたことを表すと考えられる。


みつ【満】

  1. 〘 名詞 〙 民間暦中段に記された十二直一つ。万物満溢の日の意。移転旅行婚姻、祝い事、種まき普請、造作すべて吉とする。
    1. [初出の実例]「満(ミツ)とは則板元の蔵入いはふ天恩月徳」(出典人情本春色梅児誉美(1832‐33)序)

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普及版 字通 「満」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

(旧字)滿
14画

[字音] マン
[字訓] みちる・みたす・たる・おごる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(まん)。は礼装用の膝(へいしつ)(ひざかけ、(まん)がその初形)にいちめんに刺を加える形。ゆえに満盈(まんえい)の意がある。〔説文〕十一上に「盈するなり」とあり、水の盈することをいう。転じてものの充し完成すること、さらにまた矯満の意となる。漫・慢と通用することがある。

[訓義]
1. みちる、みたす。
2. たる、満足する。
3. おごる、たかぶる。
4. 謾(まん)と通じ、あざむく。
5. 懣(もん)と通じ、もだえる。

[古辞書の訓]
名義抄〕滿 ミツ・タル・タレヌ・トク

[声系]
〔説文〕に懣を心滿の会意とするが、滿の形声字。満盈して治めがたく、悶の意を生ずるので、亦声とみてよい。

[語系]
滿・懣muanは同声。悶munは声義の近い字。(憤)biun、煩biuan、また忿phiunも心に憤盈するところがある意で、一系の語である。

[熟語]
満意・満・満員・満院・満飲・満盈・満衍・満園・満・満檐・満屋・満架・満仮・満街・満眼・満岸・満虚・満胸・満業・満月・満瞼・満口・満・満・満・満坐・満座・満歳・満載・満山・満志・満室・満酌・満袖・満杖・満城・満心・満身・満斟・満数・満盛・満川・満船・満窓・満足・満地・満秩・満朝・満庭・満廷・満天・満頭・満堂・満帆・満幅・満腹・満壁・満眸・満面・満目・満門・満・満流・満林・満路
[下接語]
引満・殷満・盈満・円満・厭満・干満・虚満・矜満・驕満・限満・歳満・持満・充満・春満・小満・盛満・秩満・貯満・脹満・塡満・肥満・不満・腹満・遍満・豊満・飽満・未満

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