精選版 日本国語大辞典「満」の解説
まん【満】
〘名〙
① (形動) みちること。いっぱいになること。不足がないこと。また、そのさま。
※大鏡(12C前)五「世をたもたせ給ふこと、かくて三十一年ばかりにやならせ給ひぬらん。今年は満六十におはしませば」
② 年月が不足なくちょうどその数になっていること。また、年齢などを数えるとき、実際に経過した年月でいうこと。「満で三つ」
まん‐・ずる【満】
〘自サ変〙 まん・ず 〘自サ変〙
① 期限が至る。日限に達する。特に、満願の日となる。また、年齢が満になる。
※今昔(1120頃か)六「其の七日に満ずる夜」
※幸若・十番斬(室町末‐近世初)「まんずる歳は、廿二」
② 願いごとなどがかなう。かけていた願が満たされる。
※古今著聞集(1254)一三「我が願すでに満ずとて」
③ すべてをうめる。欠けるところなくすべてに及ぶ。
※太平記(14C後)二七「累代繁栄四海に満ぜし先代をば、亡し給ひしか共」
④ ふくらみ広がって、元の完全な形になる。
※観智院本三宝絵(984)上「帝尺又天の薬を灑て身の肉俄かに満す、身の疵皆愈ぬ」
みつ【満】
〘名〙 民間暦の中段に記された十二直の一つ。万物満溢の日の意。移転、旅行、婚姻、祝い事、種まき、普請、造作すべて吉とする。
※人情本・春色梅児誉美(1832‐33)序「満(ミツ)とは則板元の蔵入いはふ天恩月徳」
まん‐・ず【満】
〘自サ変〙 ⇒まんずる(満)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報