( 1 )この語が用いられるようになるのは、挙例のように近世からで、それ以前は、コであった。上代には、ア(足)、ハ(羽)など多くの一音節語が存在したが、語の不安定性、上代特殊仮名遣の区別が失われるなどの音韻変化による同音衝突を避ける目的もあり、次第にアシ(足)ハネ(羽)など、複数音節語への交替現象が見られるようになった。この変化は、とくに近世に盛んで、コもこのような変化のなかで、コナと交替しはじめた。
( 2 )現代では、コナが一般語となり、コは、独立用法をなくし、「小麦粉」「メリケン粉」などの複合語の造語成分や「身を粉(コ)にする」などの慣用句に見られるのみとなる。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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