聞(漢字)

普及版 字通 「聞(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

(異体字)
14画

[字音] ブン・モン
[字訓] きく・ほまれ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は門(もん)。卜文にみえる字の初形は象形。挺立する人の側身形の上に、大きな耳をしるす形で、(望)の初文が、挺立する人の側身形の上に、大きな目をしるすのと、同じ構造法である。その望み、聞くものは、神の啓示するところを求める意である。また卜文の聞字に、口のあたりに手を近づけている形のものがあり、これは「以聞(いぶん)(天子に奏上すること)」をいう形であろう。のち昏(こん)声の字となる。〔説文〕十二上に門声の字を正字、昏・に従う字を重文とし、「聲を知るなり」(小徐本)と聞知の意とする。聽(聴)・(聖)の初形は、卜文の聞の初形に、祝詞の器の形である(さい)を加えたもので、みな神の声を聞く意である。周初の金文の〔大盂鼎〕に「我聞くに、殷の、命(天命)をせるは」の聞をの形に作る。その昏は、金文の婚・勳(勲)・(こん)の従うところと同じく(爵)の形を含む。神意を聞くときに、そのような儀礼があったのかもしれない。はその形を存するものであろう。聞は戦国期に至ってみえる後起の字である。門は声符であるが、闇・問が門において「神の音ずれ(訪れ)」を聞く意であることからいえば、門において神の声を聞く意を以て、門に従うものであるかもしれない。

[訓義]
1. きく、ききとる、神のこえをききとる。
2. うける、おしえられる、しる、さとる。
3. もうす、天子にもうす、以聞。
4. おとずれ、しらせ、音聞。
5. きこえる、ほまれ、うわさ、名声

[古辞書の訓]
名義抄〕聞 キク・キコユ・ホガラカナリ・カグ・キコシメス 〔字鏡集〕聞 キク・キコユ・カグ・キキシル・ヤハラカナリ・ホガラカナリ・キコシメス

[熟語]
聞見・聞香聞習・聞人・聞政・聞説・聞奏・聞達・聞知・聞道・聞風・聞望・聞名・聞命・聞問
[下接語]
以聞・異聞・逸聞・遠聞・佳聞・嘉聞・寡聞・怪聞・外聞・奇聞・記聞・旧聞見聞・語聞・誤聞・洽聞・告聞・細聞・醜聞・升聞・上聞・新聞・仁聞・声聞・接聞・奏聞・相聞・仄聞・側聞・多聞・著聞・聴聞伝聞・内聞・博聞・聞・風聞・無聞・名聞・余聞・流聞・令聞

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android