デジタル大辞泉
「分析」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ぶん‐せき【分析】
- 〘 名詞 〙
- ① 分け割くこと。また、別れること。
- [初出の実例]「鋳幣(〈注〉かねふき)師に係り、身体分析されて必ず其死を免れず」(出典:東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉四)
- [その他の文献]〔漢書‐景十三王伝・中山靖王〕
- ② もつれている事柄や複雑な事柄を、一つ一つの要素や性質に分けること。
- [初出の実例]「難弁ことを分析してあるぞ」(出典:古文真宝彦龍抄(1490頃))
- [その他の文献]〔隋書‐芸術伝・楊伯醜〕
- ③ 分家すること。籍をわけること。
- [初出の実例]「戸主丸子部忍 年八十四耆老〈大宝二年藉、里内戸主丸子部子尻分析今移来〉」(出典:正倉院文書(708)陸奥国戸籍)
- [その他の文献]〔福恵全書‐刑名部・雑犯・家産〕
- ④ 哲学で、総合に対して、複雑な現象、対象、概念を、それを構成している単純な要素に分解すること。
- [初出の実例]「先天法とは已に定断せる理想上の性質をば仔細に分析解剖して」(出典:小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉下)
- ⑤ 物質の組成や含まれる化合物・単体・原子の状態などを、物理的あるいは化学的方法を用いて決定すること。また、その操作。定量分析と定性分析に大別される。
- [初出の実例]「此を分析すれば塩酸曹達十
曹達三十六
」(出典:舎密開宗(1837‐47)外)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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分析
ぶんせき
analysis
物質中にどのような化学種が含まれているか、さらにその成分がどのくらいあるかを解析する諸技法およびそれを行うこと。地球から地球外に至るすべての物質が対象となる。科学技術の諸分野においては、さまざまな物質や材料を取り扱っており、つねにその分析が要求されている。研究分野のみならず、工業生産へ直接結び付いている点も特徴の一つであり、近代科学の進歩や生産性の向上に果たしている役割は計り知れないものがある。分析という概念は、錬金術から医術化学の時代にすでに芽生えているが、科学的思考で分析の基礎を築いたのが新しい元素観を主張したイギリスのボイルであり、学問的に体系づけたのは同じイギリスのプリーストリーやフランスのラボアジエである。分析は元素分析から始まり、現在も超微量成分の分析とその方法の開発へと際限なく続いている。一方、化学および化学技術の発展とともに、あらゆる化学種、さらには化学種が同じでも相が異なるものまでも分析の対象となってきた。すなわち、元素分析の精度を極限まであげたとしてもその物質や材料の特性を明確にすることはできず、そのためには、元素間の結合様式、化合物集合体の集合状態をはじめとするさまざまな情報を得る必要が生じ、これらの分析を行うことを状態分析とよんでいる。状態分析では、物質や材料をあるがままの姿で分析することが必須(ひっす)であり、さまざまな物理あるいは物理化学的分析法が用いられている。さらには、元素分析と状態分析の情報を総合して、材料の物性までを評価するようになり、これをキャラクタリゼーションcharacterizationとよんでいる。化学分析と複数の物理分析とを併用した総合的な分析といえる。
[高田健夫]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「分析」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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分析
物質の組成や量,性質などを知るために諸種の手段で解析すること.
出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報
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