デジタル大辞泉
「柳」の意味・読み・例文・類語
やぎ【▽柳】
やなぎ。多く他の語と複合して用いられる。「青柳」「川柳」
「恋しけば来ませわが背子垣内―末摘み枯らし我立ち待たむ」〈万・三四五五〉
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やなぎ【柳】
[1] 〘名〙 (「矢の木」の意とも「楊(や)の木」の意ともいう)
① ヤナギ科ヤナギ属の落葉高木または低木の総称。葉は
披針(ひしん)形または円状心臓形。雌雄異株。早春、葉に先だち尾状の花穂をつける。果実は成熟後二裂して冠毛のある種子を散らす。シダレヤナギ・アカメヤナギ・ミネヤナギ・コリヤナギ・ネコヤナギ・
シバヤナギなどがある。材は器具・薪炭用。街路樹や庭園樹として栽植される。漢名、柳。《季・春》
▼やなぎの芽《季・春》
※
万葉(8C後)五・八二六「うち靡く春の
也奈宜(ヤナギ)とわが宿の梅の花とをいかにか別む」
※
俳諧・
続猿蓑(1698)上「八九間空で雨降る柳かな〈芭蕉〉 春のからすの畠ほる声〈
沾圃〉」
※宇津保(970‐999頃)楼上上「いとなややかなるうちきに、やなぎの
織物の薄き、織物かさねてきてゐ給へり」
※
雑俳・長ふくべ(1731)「柳じゃといふうち娘のしりわいの」
⑤ (風を受けて①が素直になびくところから) 逆らわないで素直なこと。適当に受け流すこと。
※浮世草子・人倫糸屑(1688)短気「夢のうき世の
一睡(ひとねふり)何も柳によいやさ」
※合巻・娘金平昔絵草紙(1821)「蔭でそしって目の前では柳とやらにあしらふわい」
※雑俳・柳多留‐八四(1825)「細腰を柳でたたく十五日」
※雑俳・柳多留‐
二三(1789)「やなぎと娘こきまぜるやうし見せ」
⑧ 花札で、一一月を表わす札。小野道風と柳に蛙の
図柄の二〇点札、柳に燕の一〇点札、および五点札、一点札が各一枚ある。雨ともいう。
[2] 中世、京都の西洞院通仏光寺下ルにあった
造り酒屋。また、その
屋号。姓は
中興(なかおき)。日像に帰依し、
家宅を寺とし、柳寺と称した。また、そこで造った酒の銘。特に美味で有名なため、その名はしばしば盗用された。柳の酒。
やぎ【柳】
〘名〙 やなぎ。「青やぎ」「川やぎ」など、多く、
複合語に用いる。
※万葉(8C後)一四・三四五五「恋しけば来ませわが背子垣つ楊疑(ヤギ)末摘みからしわれ立ち待たむ」
[
補注]「やなぎ」の略ともいうが、「や」は「楊」の
字音、「き」は「木」とする説、「楊」の字音の
末尾にイ音を加えて
ヤギとした、そのギが「木」に連想されたものとする説などもある。
りゅう リウ【柳】
二十八宿の
一つ。南方七宿の第三宿。海蛇座のδ
(デルタ)星付近の星宿。その形が柳の枝に似ているところから呼ばれる。柳宿。ぬりごぼし。
※二中歴(1444‐48頃か)五「廿八宿〈略〉井鬼柳星張翼軫〈南〉」 〔後漢書‐郎顗伝〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
柳
(通称)
やなぎ
歌舞伎・浄瑠璃の外題。- 元の外題
- 三十三間堂棟由来
- 初演
- 享保16.5(大坂・佐渡島座)
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
柳 (ヤナギ)
植物。ヤナギ科の落葉高木,園芸植物。シダレヤナギの別称
柳 (ヤナギ・ヤギ)
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報