ダグラス(Stephen Arnold Douglas)(読み)だぐらす(英語表記)Stephen Arnold Douglas

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ダグラス(Stephen Arnold Douglas)
だぐらす
Stephen Arnold Douglas
(1813―1861)

アメリカの政治家。イリノイ州出身。1843~47年民主党の連邦下院議員。50年代初期、党の若手指導者として注目され、準州における奴隷制の可否をめぐる南北対立の調停者として活躍。彼の「人民主権」の主張はカンザス・ネブラスカ法(1854)として具体化したが、この法律は南北の対立を激化させることになる。58年リンカーンとの間で行った奴隷をめぐる公開論争は「リンカーン‐ダグラス論争」として有名。60年民主党の大統領候補指名の獲得に成功したが、南部の民主党員は反発して北部の民主党とたもとを分かち、ブレッキンリッジJohn Cabell Breckinridge(1821―75)を独自の候補として指名。この民主党の分裂はリンカーンの当選につながるものであった。

[長田豊臣]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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