日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ミラー(Neal Elgar Miller)
みらー
Neal Elgar Miller
(1909―2002)
アメリカの心理学者。ウィスコンシン州ミルウォーキーの生まれ。ワシントン大学、スタンフォード大学に学び、1935年エール大学で学位をとり、1936年までウィーンの精神分析学研究所に留学し、その後は主としてエール大学の人間関係研究所に所属、1966年からロックフェラー大学教授。1930年代から1940年代にかけてのエール大学の人間関係研究所はC・L・ハルをリーダーとして数多くの優れた心理学者を集めたが、ミラーはその中心人物の一人であった。彼の研究には精神分析的な考え方の影響が強く、刺激‐反応理論を拡張して葛藤(かっとう)行動や動機づけや社会的学習の領域にまでそれを適用しようとした共同研究が多い。著書に『欲求不満と暴力』(1939)、『社会的学習と模倣』(1941)、『人格と心理療法』(1950)などがある。
[宇津木保]
『山内光哉他訳『社会的学習と模倣』(1956・理想社)』▽『宇津木保訳『欲求不満と暴力』(1959・誠信書房)』▽『河合伊六他訳『人格と心理療法』(1972・誠信書房)』
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