(読み)レイ

デジタル大辞泉 「冷」の意味・読み・例文・類語

れい【冷】[漢字項目]

[音]レイ(漢) [訓]つめたい ひえる ひや ひやす ひやかす さめる さます
学習漢字]4年
温度が低い。つめたい。つめたくする。「冷雨冷害冷却冷酒冷水冷蔵冷凍冷房冷涼寒冷空冷秋冷水冷清冷
情が薄い。温かみがない。「冷遇冷酷冷淡冷血漢
感情をたかぶらせない。「冷静冷徹
[名のり]すずし

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「冷」の意味・読み・例文・類語

ひえ【冷】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「ひえる(冷)」の連用形名詞化 )
  2. 冷えること。また、その程度。寒気。
    1. [初出の実例]「小椒粒は〈略〉夏も冬も、朝一粒づつかじれば、ひへにも熱にもあてられない物だ程に」(出典:雑兵物語(1683頃)上)
  3. からだの、特に腰から下が冷える病気。ひえやまい。
    1. [初出の実例]「ほしいままにきこしめさるな夏の水つもれば冬のひえとなるもの」(出典:再昌草‐享祿五年(1532)六月二四日)
  4. ( 冷気のために起こると考えられたところからという。または、「ひえ(稗)」からか )
    1. (イ)(かさ)や疥癬(かいせん)などの皮膚病の称。
      1. [初出の実例]「下へゆくこじょくにむかい、これてめへのひへはなをったか」(出典:洒落本・志羅川夜船(1789))
    2. (ロ) 梅毒。〔俚言集覧(1797頃)〕

ひや【冷】

  1. [ 1 ] 〘 造語要素 〙 名詞に付いて、冷たい、温めてない、または冷やした状態であることを表わす。「ひや汗」「ひや酒」「ひや水」「ひや飯(めし)」など。
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙
    1. 冷たい状態をいう。
      1. [初出の実例]「冷(ヒヤ)の牛乳」(出典:業苦(1928)〈嘉村礒多〉)
    2. ひやみず(冷水)」の略。
      1. [初出の実例]「あつい事じゃ・かかちとひやをむめてたも」(出典:雑俳・削かけ(1713))
    3. ひやざけ(冷酒)」の略。
      1. [初出の実例]「ひやしるわんに一つ二つほどならではのみ候はぬやうに」(出典:毛利家文書‐(年月日未詳)(室町後)毛利元就自筆書状)

れい【冷】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) つめたいこと。ひややかなこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「遅は寒也冷也」(出典:史記抄(1477)一四)
    2. [その他の文献]〔隋煬帝‐悲秋詩〕
  3. れいしゅ(冷酒)」の略。
    1. [初出の実例]「相馬の官女まくり手で冷九献」(出典:雑俳・柳多留‐一一三(1831))

つめた【冷】

  1. [ 1 ] ( 形容詞「つめたい」の語幹 ) つめたいさま。感動表現に用いる。
    1. [初出の実例]「ヲヲつめた。水だよ」(出典:人情本・春色梅児誉美(1832‐33)三)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 木綿・麻布の綿入れ。→おひえ(御冷)
    1. [初出の実例]「鎌倉の女郎は、すす竹のつめたに織り物の手おほほひ」(出典:虎寛本狂言・比丘貞(室町末‐近世初))

ひやし【冷】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「ひやす(冷)」の連用形の名詞化 )
  2. ひやすこと。また、ひやしたもの。〔名語記(1275)〕
  3. 冷水をいう。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  4. ひやかすこと。からかうこと。また、その言い手。ひやかし客。
    1. [初出の実例]「かかる調法なる事を人にさするは、惜しきとの心にて、御ひやしあるかと悪推せられ候」(出典:評判記・難波物語(1655))

さめ【冷】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「さめる(冷)」の連用形の名詞化 ) 熱気がうすれること。冷えること。
    1. [初出の実例]「薬罐の熱湯(にえゆ)一花ばかりで醒(サメ)が早いもの」(出典:浮世草子傾城歌三味線(1732)二)

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普及版 字通 「冷」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

[字音] レイ
[字訓] つめたい・ひややか・さむい・ひえる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は令(れい)。〔説文〕十一下に「寒きなり」とあり、寒冷をいう。涼・凜などと声義の近い字である。

[訓義]
1. つめたい、ひややか。
2. さむい、すずしい。
3. ひやす、ひえる、さます。
4. きよい、すむ。
5. おとろえる、ひま。

[古辞書の訓]
名義抄〕冷 スズシ・スサマジ・ヒヤヤカナリ・サムシ・サム・サヤカニ・カナフ・コホル・キヨシ

[語系]
冷leng、涼liang、凜・limは声義に通ずるところがあり、同系の語である。

[熟語]
冷意・冷雨・冷・冷煙・冷汗・冷官・冷・冷眼・冷雁・冷気・冷宮・冷遇・冷月・冷硯・冷語・冷光・冷香・冷酷・冷坐・冷酒・冷絮・冷峭・冷笑・冷食・冷心・冷人・冷水・冷静・冷節・冷・冷然・冷待・冷沢・冷淡・冷暖・冷地・冷秩・冷腸・冷灯・冷凍・冷熱・冷罵・冷杯・冷飯・冷痺・冷風・冷僻・冷蔑・冷面・冷落・冷冷・冷冽・冷露
[下接語]
衣冷・温冷・炎冷・瓦冷・灰冷・寒冷・眼冷・虚冷・暁冷・空冷・喧冷・厳冷・衫冷・酸冷・歯冷・酒冷・秋冷・春冷・水冷・衰冷・井冷・淒冷・清冷・泉冷・暖冷・風冷・涼冷・露冷

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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