凡(漢字)

普及版 字通 「凡(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 3画

(旧字)
3画

[字音] ボン・ハン
[字訓] はこぶ・およそ・すべて・なみ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
盤(ばん)の形。舟も盤の形にしるされ、般・搬にものをはこぶ意がある。〔説文〕に字を二の部十三下に属し、「最括(さいくわつ)するなり。二に從ふ。二は偶なり。(きふ)に從ふ。は古なり」という。相及ぶものを連及してまとめる意とする。卜文・金文字形は盤の形。〔説文〕が「最括」とし、字を二に従うとするのは、最の上部との字形の関連に注目したのであろうが、最は戦場での耳を掩いとる形で、とは関係がない。金文の〔散氏盤〕に「て十五夫なり」のように、合計の意に用いる。の形はまた卜文の風を示す鳳形の鳥にも、声符として加えられており、鳳は風の初文である。

[訓義]
1. はこぶ、うごく。
2. すべて、みな、あらまし、およそ。
3. つねの、なみの、しきたり、いやしい。

[古辞書の訓]
名義抄 スベテ・オホヨソ 〔字鏡集〕 カゾフ・ミナ・コトゴトク・カルシ・アナグル・ヲロカナリ・ヲコス・スベテ・カス

[声系]
〔説文〕に声として・鳳・汎・風など五字を収める。一下は「艸んなり」、汎十一上は「く皃なり」とあり、声の字に風行して盛んなるものの意がある。梵は後起の字。〔説文新附〕六上に録し、仏典などの音訳語に用いる。

[語系]
・泛・鳳biumは同声。浮かびめぐるものの意がある。般buanももとに従う字で、盤の初文。

[熟語]
凡最・凡首・凡数・凡物・凡目・凡有・凡類凡例・凡医・凡界・凡格・凡間・凡器・凡境・凡近凡偶・凡下・凡語・凡骨凡瑣・凡才・凡材・凡子・凡弱・凡手凡衆凡庶・凡小凡冗・凡常・凡心凡人・凡聖・凡世・凡生・凡浅凡賤凡俗・凡短・凡致・凡智凡儔・凡等・凡盗・凡馬凡輩凡卑・凡百凡夫・凡民凡庸・凡要凡吏・凡流凡倫凡劣凡陋・凡猥
[下接語]
異凡・挙凡・愚凡・下凡・撮凡・塵凡・仙凡・総凡・大凡・超凡・都凡・発凡・非凡・卑凡・平凡

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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