普及版 字通 「寸(漢字)」の読み・字形・画数・意味
寸
常用漢字 3画
[字訓] わずか
[説文解字]
[字形] 会意
(又)(ゆう)+一。は手指の形、指一本の幅を寸という。拇指と中指をひろげて、手首をそえた形は尺。寸はその十分の一にあたる。〔大戴礼、主言〕に「指を布きて寸を知り、手を布きて尺を知る」という。〔説文〕三下に「十なり。人の手、一寸を卻(しりぞ)くところの動、之れを寸口と謂ふ」とするが、寸口は脈の大候の存するところで、医術上の用語。尺字条八下に「の制、寸・尺・咫(し)・・常・仞の度量は、皆人の體を以て法と爲す」とあり、尋は左右の手を広げた長さ、常は尋を折り返した織物の長さである。わが国では手指四本をならべた長さは「つか」、「ひろ」は左右の手を伸ばした長さ。尋とひろは同じ長さであるから尋を「ひろ」と訓するが、寸にあたる国語はない。
[訓義]
1. すん。
2. わずか、すこし。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕寸 キダキダ・ツダツダ 〔立〕寸 ワヅカ・ツダツダ・ミジカシ
[部首]
〔説文〕に寺・將(将)・・專(専)・・(導)の六字を属し、〔玉〕に射・尉など三字を加える。字の初形からいえば、みなに従う字で、寸尺の寸の意をもつものはない。字書の寸部の字も同じ。ただ(らつ)は手中に物のある形の字である。
[声系]
〔説文〕にを寸声とし、「切る」と訓する。村の初文は邨、もと屯(とん)声の字である。忖は〔新附〕十下にみえ、忖度(そんたく)することをいう。
[熟語]
寸意▶・寸陰▶・寸暇▶・寸罅▶・寸函▶・寸柬▶・寸閑▶・寸簡▶・寸願▶・寸▶・寸許▶・寸景▶・寸隙▶・寸功▶・寸口▶・寸刻▶・寸札▶・寸私▶・寸紙▶・寸時▶・寸尺▶・寸旬▶・寸書▶・寸壌▶・寸心▶・寸刃▶・寸寸▶・寸誠▶・寸節▶・寸截▶・寸絶▶・寸牋▶・寸善▶・寸▶・寸丹▶・寸断▶・寸地▶・寸衷▶・寸楮▶・寸腸▶・寸鉄▶・寸土▶・寸馬▶・寸府▶・寸分▶・寸兵▶・寸歩▶・寸補▶・寸眸▶・寸報▶・寸脈▶・寸廩▶・寸縷▶・寸裂▶・寸禄▶
[下接語]
一寸・運寸・盈寸・環寸・径寸・原寸・高寸・裁寸・尺寸・積寸・丹寸・長寸・膚寸・分寸・方寸・寸
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報