デジタル大辞泉 「尾籠」の意味・読み・例文・類語 び‐ろう【尾籠】 [名・形動]《「おこ(痴)」に当てた漢字「尾籠」を音読みしたもの》1 不潔であること。また、そのさま。「食事中、尾籠な話になるが」2 わいせつであること。また、そのさま。「若い女が若い男の帯解いて、さうして後で紙で拭ふとは―至極、疑はしい」〈浄・油地獄〉3 礼儀をわきまえないこと。また、そのさま。無礼。「殿の御出ぎょしゅつに参り逢うて、乗物より降り候はぬこそ―に候へ」〈平家・一〉[類語]汚い・むさくるしい・汚らしい・小汚い・薄汚い・汚けがらわしい・ばっちい・むさい・埃っぽい・泥まみれ・不潔・不浄・不衛生・不純・醜悪・見苦しい・みすぼらしい・ぼろい・ぼろぼろ・おんぼろ・よれよれ・がたがた・ぽんこつ・老朽化・汚穢おわい・汚れ物・汚濁・けがれ・よごれ・汚点・汚染・くすむ・薄汚れる・汚れる・煤すすける・垢あかじみる・まみれる・油じみる・汗じみる・みっともない・はしたない・醜態・老醜・無様ぶざま・不格好・醜い・醜しゅう・ばばっちい・しどけない・目障り・むさい・爺じじむさい・かっこ悪い・ださい・野暮・野暮ったい・泥臭い・不細工・田舎臭い・不体裁・グロテスク・不器量・弊衣破帽・だらしない・醜怪・浅ましい・見辛い・見るに見兼ねる 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「尾籠」の意味・読み・例文・類語 び‐ろう【尾籠】 〘 名詞 〙 ( 形動 ) ( 「おこ(痴)」の字にあてた「尾籠」の音読み )① 礼儀をわきまえないこと。思慮が浅く不作法であること。また、そのさま。失礼。無礼。[初出の実例]「見二参入道殿一、多令レ語二古事一給、顕光大臣尾籠者云々」(出典:台記‐康治元年(1142)一一月四日)「返す返すびろうのしわざに候けり。いそぎあがひ申さるべし」(出典:とはずがたり(14C前)二)② 恥ずべきこと。見苦しいこと。また、そのさま。[初出の実例]「申さば尾籠(ヒロウ)にて候へども、馬ねぶりをつかまつりてうちおくれまゐらせ候ひぬ」(出典:金刀比羅本平治(1220頃か)中)③ まずしいこと。貧乏。[初出の実例]「びらうのもの〈けいくゎいぞ〉は、わが身一人してととのへんとすれどもかなはぬものぞ」(出典:本福寺跡書(1560頃)大宮参詣に道幸〈略〉夢相之事)④ 話題として不適当な、きたないこと。不潔であること。また、そのさま。[初出の実例]「ハイホド birôna(ビロウナ) モノワ ヲリナイ」(出典:天草本伊曾保(1593)蠅と蟻の事)「食ると尾籠(ビロウ)ながら吐まする」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)前)⑤ わいせつなこと。ふしだらなこと。また、そのさま。[初出の実例]「某が先陣の案内させんとからめをいたる女をとらへ、たはふるるはびろう也」(出典:浄瑠璃・佐々木先陣(1686)一)尾籠の語誌→「おこ(痴)」の語誌 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by