汚れる(読み)ヨゴレル

デジタル大辞泉 「汚れる」の意味・読み・例文・類語

よご・れる【汚れる】

[動ラ下一][文]よご・る[ラ下二]
きたなくなる。不潔になる。「手が―・れる」「都会の―・れた空気
悪いことに関係して、清らかさを失う。けがらわしくなる。けがれる。「そんな―・れたお金は受け取れない」
[用法]よごれる・けがれる――「よごれる」は、汚物がついてきたなくなることをいう。「けがれる」は、犯罪を犯す、道徳に反する、宗教などで禁じられていることをするなど、精神的に清らかでなくなることをいう。◇「よごれた手」は、泥や油などが付いてきたない状態である。「けがれた手」は、不正な金銭を受け取ったり、人を殺傷したり、触れてはならないものに触れたりしたことである。◇「けがれる」は、「名がけがれる」「名誉がけがれる」「思い出がけがれる」など、多くは抽象的なものに用いられる。
[類語]けがれる汚す薄汚れるすすける垢じみるまみれる油染みる食べ汚す汗染みるほこりっぽい汚いむさくるしい汚らしい小汚い薄汚いけがらわしいばっちいむさい泥まみれ不潔不浄不衛生不純尾籠びろう醜悪見苦しいみすぼらしいぼろいぼろぼろおんぼろよれよれがたがたぽんこつ老朽化汚穢おわい汚れ物汚濁けがれよごれ汚点汚染くすむみっともないはしたない醜態老醜無様ぶざま不格好醜いしゅうばばっちいしどけない目障りじじむさいかっこ悪いださい野暮野暮ったい泥臭い不細工田舎臭い不体裁グロテスク不器量弊衣破帽だらしない醜怪浅ましい見辛い見るに見兼ねる

けが・れる【汚れる/×穢れる】

[動ラ下一][文]けが・る[ラ下二]
清らかさ、純粋さ、神聖さなどが損なわれて、よごれた状態になる。よごれる。「耳が―・れる」「神殿が―・れる」
名誉や誇りに傷がつく。「履歴が―・れる」
女性貞操を失う。
死・出産月経などにかかわって忌むべき状態になる。
よごれる[用法]
[類語]よごれる汚す薄汚れるすすける垢じみるまみれる油染みる食べ汚す汗染みる醜悪ほこりっぽい汚いむさくるしい汚らしい小汚い薄汚いけがらわしいばっちいむさい泥まみれ不潔不浄不衛生不純尾籠みすぼらしいぼろいぼろぼろおんぼろよれよれぽんこつ老朽化汚穢おわい汚れ物汚濁けがれよごれ汚点汚染くすむ醜態老醜無様ぶざま不格好醜いしゅうばばっちい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「汚れる」の意味・読み・例文・類語

けが・れる【汚・穢】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]けが・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. よごれる。きたなくなる。不潔になる。
    1. [初出の実例]「定の水濁り穢(ケカるれ)ば遍知の月現はれ不(ず)」(出典:東大寺諷誦文平安初期点(830頃))
    2. 「垢膩にけがれたらんに、洗浣すべし」(出典:正法眼蔵(1231‐53)洗面)
  3. 人の死や出産などにかかわって身体が不浄となる。服喪中である。また、月経となる。
    1. [初出の実例]「おのが君の唯一人おはするに、いみじく思ひて『俄にけがれ侍りぬ』と申して、とまれば」(出典:落窪物語(10C後)一)
  4. 女子が貞操を破られる。みさおにきずがつく。
    1. [初出の実例]「世に、けがれたりとも、おぼし捨つまじきを頼みにて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)賢木)
  5. 悪習にそまる。みにくくなる。悪くなる。
    1. [初出の実例]「盗人の立田の山に入りにけり同じかざしの名にやけがれん〈藤原為頼〉」(出典:拾遺和歌集(1005‐07頃か)雑下・五六〇)
    2. 「一方を聞きて相計らはん事は政道のけかるる所也」(出典:義経記(室町中か)四)

よご・れる【汚】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]よご・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. きたなくなる。不潔になる。けがれる。
    1. [初出の実例]「早苗ひき裳裾よこるといふ田子も吾がこと袖はしほとからしな」(出典:相模集(1061頃か))
  3. けがらわしくて、いやになる。いとわしく感じる。
    1. [初出の実例]「大臣になさるべき宣旨を聞て、耳がよごれて覚えつれば、潁川にてすすぎて帰る也」(出典:米沢本沙石集(1283)一〇本)
  4. 不名誉、不都合なことが記される。
    1. [初出の実例]「丈夫で、しかも技術がすぐれ、戸籍がよごれてゐないものでなくては資格がない」(出典:街道記‐ささやま街道(1956)〈井伏鱒二〉)
  5. 月経になる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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