デジタル大辞泉
「汚い」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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きたな・い【汚・穢】
- 〘 形容詞口語形活用 〙
[ 文語形 ]きたな・し 〘 形容詞ク活用 〙 - [ 一 ] 人、物、場所などが、見た目にけがれているさま。よごれているさま。また、見たり聞いたりして、品がないと感じるさま。
- ① 清浄、清潔でない。よごれていて、その人や物にふれたり、その場に居たりしたくないさまである。
- [初出の実例]「不須也凶目汚穢、此をば伊儺之居梅枳枳多儺枳(いなしこめきキタナキ)と云ふ」(出典:日本書紀(720)神代上)
- 「汚(キタ)ない宅へ何の御用かは存ませんが、アノ召物が汚(よご)れます」(出典:人情本・閑情末摘花(1839‐41)初)
- ② 下品である。野卑である。見ぐるしい、または聞きぐるしい。
- [初出の実例]「あからさまにものへまかりたりし間に、きたなき、侍る所の焼け侍りにしかば」(出典:能因本枕(10C終)二九三)
- 「学問・行をばせで、〈略〉きたなき聞えさへ出で来にけり」(出典:十訓抄(1252)七)
- [ 二 ] 心、気持、動機などが、自分中心でみにくいさま。
- ① 反逆したり、人をおとしいれようとするなど、腹黒いさまである。邪悪である。根性がよくない。
- [初出の実例]「岐多奈久(キタナク)悪き奴ともと相結びて謀(はか)りけらく」(出典:続日本紀‐神護景雲三年(769)五月二九日・宣命)
- 「さらば誓約をなして、清きか、きたなきかを知るべし」(出典:神皇正統記(1339‐43)上)
- ② 思い切りが悪い。いさぎよくない。
- (イ) 卑怯である。卑劣である。
- [初出の実例]「きたなしや、返せ返せといふやから」(出典:平家物語(13C前)七)
- 「代議士方に賄賂を遣うの買収するのといふ汚ない所為(まね)は」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉増税)
- (ロ) 未練である。思い切りが悪い。
- [初出の実例]「猶いかであすの行啓までと宣はする心きたなし」(出典:有明の別(12C後)三)
- (ハ) 欲が深い。しみったれである。
- [初出の実例]「しはくきたなき心にも、はぢをおもへば」(出典:身のかたみ(室町中頃))
- 「米子の金に汚い性質は」(出典:ある女(1973)〈中村光夫〉七)
- (ニ) やたらに続けていてなかなか止めない様子である。
- [初出の実例]「お蔭で命繋(つな)ぎますと、其肥えたお手できたなう拝み」(出典:浄瑠璃・摂津国長柄人柱(1727)三)
汚いの派生語
きたな‐が・る- 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
汚いの派生語
きたな‐げ- 〘 形容動詞ナリ活用 〙
汚いの派生語
きたな‐さ- 〘 名詞 〙
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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