普及版 字通 「暴(漢字)」の読み・字形・画数・意味
暴
常用漢字 15画
(異体字)
17画
[字訓] さらす・あらわす・あれる・あばれる・にわか
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
日+獣屍の形、すなわち曝屍の象。〔説文〕の日部七上に「晞(かわ)くなり。日に從ひ、出に從ひ、(きよう)に從ひ、米に從ふ」とし、また(ひよう)に従う古文の形を録して、字を声とする。また別に夲(とう)部十下にも相似た字があり、「疾(すみ)やかにして趣(おもむ)くるなり」とあって、この字を暴疾の意とする。しかし暴露と暴疾の字はもと一字、〔説文〕は誤って両形二字とし、別解を施したものであろう。同じく獣屍の象をとるものに皋(こう)・(えき)があり、皋はその色の皋白をとり、は敗(とはい)(ぼろぼろになる)繹解(えきかい)(組織が解ける)の意をとる。骨を原野に暴(さら)すというのが字の原義。強烈な風雨日射で忽ち暴露し、繹解する、ゆえに暴疾の意となる。暴(ばく)の音は卜と同じく、熱して裂ける音を示す擬声語である。
[訓義]
1. さらす、風日にさらす、かわく、かれる。
2. あらわす、さらけ出す、分解して骨があらわれる。
3. あれる、あばれる、はげしい、風雨・日照りがはげしい、きびしい。
4. にわか、たちまち。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕暴風 波夜知(はやち)、、能和岐乃加世(のわきのかぜ)/暴雨 无良佐女(むらさめ)。辨色立の同じ 〔名義抄〕暴 アラシ・ニハカニ・サラス・ノイフス・タチマチ・ホシイママ・ハシ・トシ・タケシ・ヲカス・アラハス・ツヒニ・ソノ・ハラサラス・タタク・モロシ・ヤブル・ホロブ
[声系]
〔説文〕に暴声として・爆・瀑など七字を収める。爆はく、瀑は疾雨。それぞれ暴の声義を承ける字である。
[語系]
暴・瀑bkは同声。いずれも暴疾の意がある。爆pekは、火の破裂する音。卜pok、剝peok、白beakなども、同じ系統の語であろう。
[熟語]
暴▶・暴衣▶・暴骸▶・暴骨▶・暴▶・暴屍▶・暴炙▶・暴首▶・暴処▶・暴著▶・暴白▶・暴巫▶・暴布▶・暴揚▶・暴練▶・暴露▶・暴悪▶・暴威▶・暴▶・暴飲▶・暴雨▶・暴苛▶・暴悍▶・暴漢▶・暴棄▶・暴起▶・暴貴▶・暴客▶・暴虐▶・暴逆▶・暴急▶・暴挙▶・暴強▶・暴君▶・暴▶・暴虎▶・暴寇▶・暴興▶・暴行▶・暴豪▶・暴傲▶・暴刻▶・暴酷▶・暴忽▶・暴作▶・暴死▶・暴恣▶・暴疾▶・暴集▶・暴鈔▶・暴上▶・暴臣▶・暴人▶・暴水▶・暴征▶・暴政▶・暴説▶・暴然▶・暴卒▶・暴奪▶・暴徴▶・暴漲▶・暴敵▶・暴殄▶・暴徒▶・暴騰▶・暴動▶・暴発▶・暴富▶・暴風▶・暴蔑▶・暴慢▶・暴民▶・暴猛▶・暴雷▶・暴乱▶・暴濫▶・暴吏▶・暴掠▶・暴略▶・暴陵▶・暴力▶・暴戻▶・暴令▶・暴▶・暴斂▶
[下接語]
威暴・暴・枉暴・横暴・苛暴・干暴・姦暴・虐暴・逆暴・禦暴・凶暴・狂暴・強暴・驕暴・禁暴・剛暴・傲暴・刻暴・酷暴・昏暴・残暴・肆暴・自暴・侵暴・粗暴・躁暴・貪暴・煩暴・慢暴・猛暴・乱暴・陵暴
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報