デジタル大辞泉 「殆」の意味・読み・例文・類語
ほと‐ほと【×殆/▽幾】
1 困り果てた、また、うんざりした気持ちを表す語。まったく。つくづく。「弟には―手を焼いている」
2 ほとんど。
「或いは稗史体と―相類似するものあり」〈逍遥・小説神髄〉
3 すんでのことで。あやうく。
「帰り
[類語]本当に・まことに・実に・
( 1 )辺や側を示す「ほとり」の語基「ほと」の畳語で、「境界をなす部分(周縁)において」が原義。
( 2 )上代には「に」を伴う用法が主であったが、中古以降「に」を伴わない用法が優勢となる。ただし、訓点資料では、平安鎌倉時代を通じて「に」を伴っても用いられる。和文・漢文訓読ともに使用され、訓点資料では、「殆」「幾」字の訓に当てられた。
( 3 )院政期から鎌倉時代にかけて「ほとほど」「ほとをと」となり、室町中期以降「ほとんど」の形をとり、今日に至る。

(がつ)は残骨の形。〔説文〕四下に「
きなり」とあり、危殆の意。危害に殆(ちか)づく意で、また「殆(ほとん)ど」という副詞によむ。
(幾)にも「幾(ちか)し」「幾(ほとん)ど」という訓がある。いずれも、古い呪儀を示す字と思われる。出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
[名](スル)二つ以上のものが並び立つこと。「立候補者が―する」「―政権」[類語]両立・併存・同居・共存・並立・鼎立ていりつ...