粗末・麁末(読み)そまつ

精選版 日本国語大辞典 「粗末・麁末」の意味・読み・例文・類語

そ‐まつ【粗末・麁末】

〘名〙
① (形動) 作りが雑であること。精製されていないこと。品質が劣っていること。また、そのさま。粗雑。〔文明本節用集(室町中)〕
浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)野崎村「是はさもしい物なれど、御病人への見舞の印。麁抹(ソマツ)ながらと詞数言はず出過ぬ杉折を」
※浮城物語(1890)〈矢野龍渓〉一九「仮令ひ粗造(ソマツ)の支那船を乗り得たりとも」
② (形動) (━する) おろそかに取り扱うこと。ないがしろにすること。たいせつにしないこと。また、そのさま。粗略。粗雑。
※応永本論語抄(1420)八佾第三「神をまつるには、目前にまします如く敬して可祭也。俗にそまつなる事を如在なりと云は誤れり」
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三「元結油も麁末(ソマツ)に遣ひますから」
③ (形動) 軽はずみであること。そそっかしいこと。また、そのさま。軽率(けいそつ)。粗忽(そこつ)
※玉塵抄(1563)三一「此が性がそさうそまつで守護どのの亮が名ををかいて王亮どのとちゃうと名を云たぞ」
④ 刻んで粗(あら)い粉にすること。また、その粉末。「細末」に対していう。〔諺草(1699)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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