荒荒しい(読み)アラアラシイ

デジタル大辞泉 「荒荒しい」の意味・読み・例文・類語

あらあら‐し・い【荒荒しい】

[形][文]あらあら・し[シク]
物事のようす、人の行動気性などが、並外れて激しい。ひどく荒っぽい。非常に乱暴だ。「―・く風が吹きまくった」「―・い声」「―・く席を立つ」
手触りがごつごつしている。
「大きなる木の根のいと―・しきによりゐて」〈手習
いかにも粗雑・粗野である。
「はかなう造りたる家なりけり。まだいと―・しきに」〈浮舟
[派生]あらあらしげ[形動]あらあらしさ[名]
[類語]荒い荒っぽい乱暴がさつ野蛮手荒手荒い粗野激しい粗暴蛮カラ野性的がらっぱち荒気ない猛烈強烈激烈鮮烈凄烈凄絶壮烈壮絶悲壮過激ラジカルすさまじい熾烈しれつ苛烈激甚急激峻烈しゅんれつ激越矯激ファナティック先鋭烈烈痛烈辛辣シビア強いきついどぎついひどい手ひどいすごいものすごい厳しい手厳しいはなはだしい桁外れ桁違い並外れ格段著しい厳格厳重厳酷厳正冷厳峻厳しゅんげん苛酷鋭いこっぴどい強力強大無敵最強力強い手強い大荒れ猛然荒らか威烈猛に

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精選版 日本国語大辞典 「荒荒しい」の意味・読み・例文・類語

あらあら‐し・い【荒荒】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]あらあら〘 形容詞シク活用 〙 ( 「あらあらし(粗祖)」と同語源 )
  2. 物の動きや人の心、行動などが、あたりかまわず、はげしい。いかにも荒っぽい。ひどく乱暴だ。猛烈だ。
    1. [初出の実例]「いとかたじけなくあはれにも思ひきこゆれど、おそろしくあらあらしきを心もたまへるこそ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲上)
    2. 「淀文の梯子を荒々(アラアラ)しく踏んで」(出典油地獄(1891)〈斎藤緑雨〉一五)
  3. 手ざわりなどが、ごつごつした感じである。
    1. [初出の実例]「枝ざしなどの、いと手触れにくげにあらあらしけれど」(出典:能因本枕(10C終)四七)
  4. こまやかな心づかいがない。粗野だ。ぶこつだ。
    1. [初出の実例]「いみじくあらあらしくうたてあれば、殿上人、女房、『あらはこそ』とつけたるを」(出典:枕草子(10C終)二四五)

荒荒しいの派生語

あらあらし‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

荒荒しいの派生語

あらあらし‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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