ラフ(英語表記)Raff, Joseph Joachim

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラフ」の意味・わかりやすい解説

ラフ
ruff

ヨーロッパの 16~17世紀にかけて男女に用いられた独特のひだ襟。一般には薄手上質の亜麻布,寒冷紗,ローンなどに糊づけして丸ごてをあてながら連続したS字形や波状にひだ寄せしてつくり,ときには青や黄などの非常に淡い色が施された。盛期のものはきわめて高度な技術を必要とし,高価であった。形や大きさは時代によってさまざまであり,初期のものは小型で単純であったが,次第に大型で入念な車輪形となり,何段にも重ねてレースの縁飾りを施したものが多くなった。このため 15mもの布地を必要とするものもあった。 17世紀に入ると,襟状に垂れ下がる型や扁平に首を支える型,うなじの方向に扇形に広がる型などに変り,扇形のものは針金の枠で支えられた。発生は定かではないが,16世紀を支配したスペイン風の流行とともにイタリアを経由してヨーロッパ中に広まったと考えられる。ラフは南蛮文化とともに日本にも渡来し,安土桃山時代の伊達者に用いられた。

ラフ
Raff, Joseph Joachim

[生]1822.5.27. チューリヒ近郊ラッヘン
[没]1882.6.25. フランクフルトアムマイン
ドイツの作曲家。独学で作曲を学び,メンデルスゾーンに認められる。 1849~53年ワイマールでリスト助手をつとめた。 77年フランクフルトのホーホ音楽院院長に就任作品交響曲 11,オペラ協奏曲室内楽など。

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