デジタル大辞泉
「ラフ」の意味・読み・例文・類語
ラフ(ruff)
16世紀半ばから約1世紀間、ヨーロッパの男女に用いられた襞襟。麻にのりづけして技巧的にひだ寄せしたものが多い。
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ラフ
- ( [英語] rough )
- [ 1 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙
- ① あらっぽいさま。粗雑なさま。粗野なさま。〔外来語辞典(1914)〕
- [初出の実例]「私、ラフに扱はれるのはいやですから」(出典:若い人(1933‐37)〈石坂洋次郎〉上)
- ② 形式ばらないさま。くだけたさま。また、大まかなさま。「ラフスケッチ」
- [初出の実例]「ラフな感じの焦げ茶色の背広が」(出典:君の名は(1952‐54)〈菊田一夫〉四)
- ③ 手ざわりのざらざらしたさま。
- [初出の実例]「ラフな『コットン』紙の如きは」(出典:学生と読書(1938)〈河合栄治郎編〉読書の生理〈杉田直樹〉)
- [ 2 ] 〘 名詞 〙
- ① テニス、バドミントンでラケットの裏側。トスを行なう時の用語。⇔スムーズ。
- ② ゴルフコースで、フェアウェー外の整地されていない雑草地帯。〔万国新語大辞典(1935)〕
- ③ 諸競技で乱暴なプレーをいう。
ラフ
- 〘 名詞 〙 ( [英語] luff ) ヨットで、縦帆の前縁のこと。風上に向けて進むことを「ラフする」という。
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ラフ
Joachim Raff
生没年:1822-82
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ラフ
ruff
ヨーロッパの 16~17世紀にかけて男女に用いられた独特のひだ襟。一般には薄手上質の亜麻布,寒冷紗,ローンなどに糊づけして丸ごてをあてながら連続したS字形や波状にひだ寄せしてつくり,ときには青や黄などの非常に淡い色が施された。盛期のものはきわめて高度な技術を必要とし,高価であった。形や大きさは時代によってさまざまであり,初期のものは小型で単純であったが,次第に大型で入念な車輪形となり,何段にも重ねてレースの縁飾りを施したものが多くなった。このため 15mもの布地を必要とするものもあった。 17世紀に入ると,襟状に垂れ下がる型や扁平に首を支える型,うなじの方向に扇形に広がる型などに変り,扇形のものは針金の枠で支えられた。発生は定かではないが,16世紀を支配したスペイン風の流行とともにイタリアを経由してヨーロッパ中に広まったと考えられる。ラフは南蛮文化とともに日本にも渡来し,安土桃山時代の伊達者に用いられた。
ラフ
Raff, Joseph Joachim
[生]1822.5.27. チューリヒ近郊ラッヘン
[没]1882.6.25. フランクフルトアムマイン
ドイツの作曲家。独学で作曲を学び,メンデルスゾーンに認められる。 1849~53年ワイマールでリストの助手をつとめた。 77年フランクフルトのホーホ音楽院院長に就任。作品は交響曲 11,オペラ,協奏曲,室内楽など。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
ラフ
チューリッヒ近郊のラーヘンに生まれる。ピアニスト、作曲家、教師。シュヴィーツのイエズス会ギムナジウムで教育を受けた。1844年にピアノ曲op.2~6をメンデルスゾーンの推薦で出版される。1945年にフ ...続き
出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報
出典 ダイビング情報ポータルサイト『ダイブネット』ダイビング用語集について 情報
世界大百科事典(旧版)内のラフの言及
【襟∥衿】より
…14世紀から15世紀にかけて現れた男子の胴衣[プールポアン]や,外衣の[フープランド]に身ごろと共布の立襟がついた。17世紀に,身ごろから分離した襟としてラフ(襞襟)が現れ,上質の麻,綿で作られた最初の襟となる。ラフは布を波のように形づけて針金で支えたもので,車輪のように首回りをおおった。…
【服装】より
…16世紀には柔らかさと自然な体の線を基調としたイタリア,幾何学的で硬直した感じのルネサンス・スペインのそれぞれのモードがあらわれた。フランスでもイギリスでもネーデルラントでも,それぞれ形を変えて,スペイン生れのファージンゲールでスカートをふくらませ,華麗なひだ衿(ラフruff)で首のまわりを飾った。
[バロック・モードとロココ・モード]
17世紀になると,スペインの支配から独立し,経済的繁栄期を迎えたオランダと,ベルサイユ宮殿を中心に絶対王政を確立したフランスが,モードの面でも指導的立場に立つ。…
【ゴルフ】より
…国内では福島晃子のような大型選手も生まれ,日本ツアーをリードしている。
【ゴルフコース】
各ホールの構造(図1)は,ティーグラウンド(ボールの打出し場所),フェアウェー(芝を刈り込んだ正しい順路),ラフ(雑草の生えた地域),ウォーターハザード(海,池,川などの障害物),バンカー(砂をしいたくぼ地の障害物),グリーン(直径10.79cmの穴をそなえ,ボールがころがりやすいように芝を刈り込んだ場所)からなり,これを1区画とし,原則的には18ホール(1ラウンド)を一単位としている。各ホールには距離に応じて基準となる打数(パーpar)が定められている。…
※「ラフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」