ラフ(その他表記)rough

翻訳|rough

デジタル大辞泉 「ラフ」の意味・読み・例文・類語

ラフ(rough)

[名]
硬式テニスで、ラケットの裏側。かつてラケットに飾り糸を付けていた頃、糸が凸凹になっている面を言った。⇔スムーズ
ゴルフコースで、フェアウエーグリーンの外辺の草や芝を刈っていない不整備地帯。
[形動]
荒っぽいさま。乱暴なさま。「ラフプレー」「仕事ぶりがラフだ」
大まかなさま。「ラフプラン」「ラフスケッチ」
形式ばらず、気取らないさま。「ラフな服装」
表面がざらざらしているさま。「ラフ布地
[類語]乱暴粗末粗略荒い粗い荒っぽい手荒い手荒力尽く力任せ強引無茶粗笨そほん粗雑ぞんざいいけぞんざい荒荒しいがさつ粗野粗削り生硬粗放雑駁大ざっぱ大掴み大まか丼勘定粗粗あらあら粗らかざっとおよそおおよそおおむねあらかたあらまし

ラフ(ruff)

16世紀半ばから約1世紀間、ヨーロッパの男女に用いられた襞襟ひだえり。麻にのりづけして技巧的にひだ寄せしたものが多い。

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精選版 日本国語大辞典 「ラフ」の意味・読み・例文・類語

ラフ

  1. ( [英語] rough )
  2. [ 1 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙
    1. あらっぽいさま。粗雑なさま。粗野なさま。〔外来語辞典(1914)〕
      1. [初出の実例]「私、ラフに扱はれるのはいやですから」(出典:若い人(1933‐37)〈石坂洋次郎〉上)
    2. 形式ばらないさま。くだけたさま。また、大まかなさま。「ラフスケッチ」
      1. [初出の実例]「ラフな感じの焦げ茶色の背広が」(出典:君の名は(1952‐54)〈菊田一夫〉四)
    3. 手ざわりのざらざらしたさま。
      1. [初出の実例]「ラフな『コットン』紙の如きは」(出典:学生と読書(1938)〈河合栄治郎編〉読書の生理〈杉田直樹〉)
  3. [ 2 ] 〘 名詞 〙
    1. テニス、バドミントンでラケットの裏側。トスを行なう時の用語。⇔スムーズ
    2. ゴルフコースで、フェアウェー外の整地されていない雑草地帯。〔万国新語大辞典(1935)〕
    3. 諸競技で乱暴なプレーをいう。

ラフ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] luff ) ヨットで、縦帆の前縁のこと。風上に向けて進むことを「ラフする」という。

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改訂新版 世界大百科事典 「ラフ」の意味・わかりやすい解説

ラフ
Joachim Raff
生没年:1822-82

ドイツ作曲家。F.リスト助手を務めたのち,1856年よりウィースバーデンでピアノ教師。77年よりフランクフルト・アム・マインのホーホ音楽院院長。リストを中心とする新ドイツ楽派の一人に数えられ,リストの交響詩のいくつかは彼がオーケストレーションを担当。11曲の交響曲オペラをはじめ各ジャンルにわたり作品を残したが,とりわけバイオリンのための《六つの連作小品》(作品85,1859)に含まれた《カバティーナ》は有名で,軽快な抒情性を特徴としている。
執筆者:

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラフ」の意味・わかりやすい解説

ラフ
ruff

ヨーロッパの 16~17世紀にかけて男女に用いられた独特のひだ襟。一般には薄手上質の亜麻布,寒冷紗,ローンなどに糊づけして丸ごてをあてながら連続したS字形や波状にひだ寄せしてつくり,ときには青や黄などの非常に淡い色が施された。盛期のものはきわめて高度な技術を必要とし,高価であった。形や大きさは時代によってさまざまであり,初期のものは小型で単純であったが,次第に大型で入念な車輪形となり,何段にも重ねてレースの縁飾りを施したものが多くなった。このため 15mもの布地を必要とするものもあった。 17世紀に入ると,襟状に垂れ下がる型や扁平に首を支える型,うなじの方向に扇形に広がる型などに変り,扇形のものは針金の枠で支えられた。発生は定かではないが,16世紀を支配したスペイン風の流行とともにイタリアを経由してヨーロッパ中に広まったと考えられる。ラフは南蛮文化とともに日本にも渡来し,安土桃山時代の伊達者に用いられた。

ラフ
Raff, Joseph Joachim

[生]1822.5.27. チューリヒ近郊ラッヘン
[没]1882.6.25. フランクフルトアムマイン
ドイツの作曲家。独学で作曲を学び,メンデルスゾーンに認められる。 1849~53年ワイマールでリストの助手をつとめた。 77年フランクフルトのホーホ音楽院院長に就任。作品は交響曲 11,オペラ,協奏曲,室内楽など。

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ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者) 「ラフ」の解説

ラフ

チューリッヒ近郊のラーヘンに生まれる。ピアニスト、作曲家、教師。シュヴィーツのイエズス会ギムナジウムで教育を受けた。1844年にピアノ曲op.2~6をメンデルスゾーンの推薦で出版される。1945年にフ ...続き

出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報

ダイビング用語集 「ラフ」の解説

ラフ

荒い、荒れていることを意味する。ベタの反対語。

出典 ダイビング情報ポータルサイト『ダイブネット』ダイビング用語集について 情報

世界大百科事典(旧版)内のラフの言及

【襟∥衿】より

…14世紀から15世紀にかけて現れた男子の胴衣プールポアンや,外衣のフープランドに身ごろと共布の立襟がついた。17世紀に,身ごろから分離した襟としてラフ(襞襟)が現れ,上質の麻,綿で作られた最初の襟となる。ラフは布を波のように形づけて針金で支えたもので,車輪のように首回りをおおった。…

【服装】より

…16世紀には柔らかさと自然な体の線を基調としたイタリア,幾何学的で硬直した感じのルネサンス・スペインのそれぞれのモードがあらわれた。フランスでもイギリスでもネーデルラントでも,それぞれ形を変えて,スペイン生れのファージンゲールでスカートをふくらませ,華麗なひだ衿(ラフruff)で首のまわりを飾った。
[バロック・モードとロココ・モード]
 17世紀になると,スペインの支配から独立し,経済的繁栄期を迎えたオランダと,ベルサイユ宮殿を中心に絶対王政を確立したフランスが,モードの面でも指導的立場に立つ。…

【ゴルフ】より

…国内では福島晃子のような大型選手も生まれ,日本ツアーをリードしている。
【ゴルフコース】
 各ホールの構造(図1)は,ティーグラウンド(ボールの打出し場所),フェアウェー(芝を刈り込んだ正しい順路),ラフ(雑草の生えた地域),ウォーターハザード(海,池,川などの障害物),バンカー(砂をしいたくぼ地の障害物),グリーン(直径10.79cmの穴をそなえ,ボールがころがりやすいように芝を刈り込んだ場所)からなり,これを1区画とし,原則的には18ホール(1ラウンド)を一単位としている。各ホールには距離に応じて基準となる打数(パーpar)が定められている。…

※「ラフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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