普及版 字通 「胡」の読み・字形・画数・意味
胡
人名用漢字 9画
[字訓] たれにく・えびす・なんぞ
[説文解字]
[字形] 形声
声符は古(こ)。〔説文〕四下に「牛の垂(かんすい)なり」とあり、牛のあごの下の垂れ肉をいう。戈(ほこ)の柄を装着する部分のふくらみをも胡という。北方族を胡というのは、頷(あご)の下に瘤(こぶ)を病む風土病があるからだとする説がある。胡にまた大の義がある。「胡(なん)ぞ」は疑問詞系の仮借義。胡考・胡福は(か)の仮借義である。
[訓義]
1. あごのたれ肉。
2. すべて垂れ下がり、ふくれたもの。ほこのえだ、装着部の刃。
3. 大きい。
4. と通じ、とおい、ながい、はるか、としより。
5. えびす。もと北方族、のち西方族をも含めていう。
6. 何・害・盍などと通じ、疑問詞。なんぞ。
7. 胡説は、でたらめ。
[古辞書の訓]
〔新字鏡〕胡 太加不(たがふ)〔和名抄〕胡 之太久比(したくび)〔名義抄〕胡 シタクビ・アザケル・イノチ・ナンゾ・イヅクゾ/胡然 イカンゾ/胡爲ナスレゾ 〔字鏡集〕胡 アザケル・イノチ・イカデカ・ナンゾ・シタクビ・イヅクンゾ・ネタム・クツコリ・ミダリ
[声系]
〔説文〕に胡声として瑚・湖・餬など四字を収める。湖は胡肉のような形で水の停滞するところをいう。
[語系]
胡・湖・餬haは同声。みな余分のものが一所に停滞する意をもつ。また何hai、曷・(害)hat、盍hapと声近く、これらはみな疑問詞として仮借して用いる。
[熟語]
胡散▶・胡乱▶・胡為▶・胡越▶・胡苑▶・胡笳▶・胡▶・胡狢▶・胡角▶・胡羯▶・胡侃▶・胡雁▶・胡顔▶・胡騎▶・胡姫▶・胡鬼▶・胡▶・胡▶・胡教▶・胡琴▶・胡元▶・胡言▶・胡呼▶・胡胡▶・胡語▶・胡▶・胡行▶・胡寇▶・胡坐▶・胡猜▶・胡子▶・胡市▶・胡児▶・胡鬚▶・胡寿▶・胡臭▶・胡▶・胡椒▶・胡牀▶・胡縄▶・胡人▶・胡塵▶・胡説▶・胡旋▶・胡然▶・胡▶・胡▶・胡僧▶・胡賊▶・胡孫▶・胡談▶・胡地▶・胡蝶▶・胡梯▶・胡狄▶・胡塗▶・胡奴▶・胡桃▶・胡同▶・胡▶・胡突▶・胡寧▶・胡馬▶・胡白▶・胡貉▶・胡貊▶・胡巫▶・胡舞▶・胡風▶・胡服▶・胡福▶・胡粉▶・胡兵▶・胡餠▶・胡麻▶・胡虜▶・胡盧▶・胡▶・胡老▶・胡▶・胡▶
[下接語]
函胡・含胡・強胡・賈胡・五胡・商胡・垂胡・酔胡・東胡・肥胡・盧胡
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報