衰える(読み)オトロエル

デジタル大辞泉 「衰える」の意味・読み・例文・類語

おとろ・える〔おとろへる〕【衰える】

[動ア下一][文]おとろ・ふ[ハ下二]力や勢いなどが弱くなる。盛んでなくなる。衰弱する。「記憶力が―・える」「雨脚が―・える」「文化が―・える」「家が―・える」
[類語]廃れる寂れる落ち目減退後退下火退潮尻すぼまり廃頽下り坂左前不振じり貧どか貧先細り下がり目低落廃る傾く尻下がり尻切れとんぼ竜頭蛇尾孤城落日末期的衰残弱体化衰弱衰微衰退頓挫衰え地に落ちる没落落ちぶれるうらぶれる成り下がる零落凋落ちょうらく転落落魄らくはく淪落堕落末路斜陽成れの果て見る影もない朽ちる消沈衰亡たそがれ失速焼きが回る耄碌もうろくぽんこつ火の車終末大詰め尾羽うち枯らす世も末尻すぼみ

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精選版 日本国語大辞典 「衰える」の意味・読み・例文・類語

おとろ・えるおとろへる【衰】

  1. 〘 自動詞 ア行下一(ハ下一) 〙
    [ 文語形 ]おとろ・ふ 〘 自動詞 ハ行下二段活用 〙 ( 動詞「おとる(劣)」に接尾語「ふ」の付いて変化したもの )
  2. 物事の勢いが弱くなる。勢力が減じる。おちぶれる。
    1. [初出の実例]「財産日に耗(オトロフ)」(出典:大智度論平安初期点(850頃か)一三)
    2. 「朝廷は年々に衰(ヲトロ)へ、武家は日々に盛(さかん)也」(出典:太平記(14C後)一)
  3. 生命力、体力、容色などが弱くなる。元気がなくなる。衰弱する。
    1. [初出の実例]「わがいのちの衰へぬれば白たへの袖の馴れにし君をしそ思ふ」(出典:万葉集(8C後)一二・二九五二)

衰えるの補助注記

連用形に「おとろえ」の変化した「おとろい」の形の例が見られる。「私聚百因縁集‐二」の「軍徒気色騒(ヲトロヒ)国力弱く成て」、浮世草子「好色一代女‐一」の「殿上のまじはり近き人のすゑずゑ、世のならひとてをとろひ」など。

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