耄碌(読み)モウロク

デジタル大辞泉 「耄碌」の意味・読み・例文・類語

もう‐ろく【××碌】

[名](スル)
年をとって頭脳身体のはたらきがおとろえること。老いぼれること。「近頃耄碌して人の名前が出てこない」
(「亡六」とも書く)上方かみがたで、武家奉公下男折助おりすけ。渡り中間
上方にて―といふは、江戸にていふ折助といふことなり」〈滑・膝栗毛・七〉
上方で、けんか、ゆすりなどをする者。
「江戸で伝法、上方で―などといふあばずれがあれど」〈滑・浮世風呂・四〉
[類語](1末期的衰残弱体化衰弱衰微衰退頓挫衰え減退後退退潮地に落ちる没落落ちぶれるうらぶれる成り下がる零落凋落ちょうらく転落落魄らくはく淪落堕落末路斜陽成れの果て見る影もない朽ちる消沈衰亡たそがれ失速焼きが回るぽんこつ火の車終末大詰め尾羽うち枯らす世も末廃れる衰える寂れる落ち目下火尻すぼみ廃退下り坂左前不振じり貧どか貧先細り下がり目低落廃る傾く尻下がり尻切れとんぼ竜頭蛇尾孤城落日

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「耄碌」の意味・読み・例文・類語

もう‐ろく【耄碌】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「碌」は本来、石の多いさまの意で当て字か )
  2. ( ━する ) 老いぼれること。また、その人。老耄
    1. [初出の実例]「人も居所(いど)立所(たちど)にまごつき出しちゃア、そっくりもうろくして仕舞ふのよ」(出典人情本・春色雪の梅(1838‐42頃か)三)
  3. ( 「亡六」とも書く ) 上方で、武家奉公の下男。渡り中間(ちゅうげん)。折助(おりすけ)
    1. [初出の実例]「かみがたにてもうろくといふは、ゑどにていふおりすけといふ事也」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)七)
  4. 上方で、喧嘩やゆすりなどをする者。
    1. [初出の実例]「もうろく 老耄を云。又大坂にて銭なしに芝居を見るものを云」(出典:俚言集覧(1797頃))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「耄碌」の読み・字形・画数・意味

【耄碌】ぼうろく

老いぼれ。

字通「耄」の項目を見る

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