デジタル大辞泉
「隠」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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かくれ【隠】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「かくれる(隠)」の連用形の名詞化 )
- ① 人目につかないでいること。人に知られないでいること。→隠れが無い・隠れない。
- [初出の実例]「しかじかの事あるべかなるを、心うくも言はぬにこそ。つひにかくれあるべき事かは」(出典:落窪物語(10C後)二)
- ② ( 近世「かぐれ」とも ) 人目につかない場所。物陰。→隠れの方(かた)。
- [初出の実例]「その車は置かず。南のかたの山のかくれに立てなめたり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上下)
- 「軒のかぐれに彳(たたず)む折柄」(出典:浄瑠璃・役行者大峯桜(1751)二)
- ③ ( 接頭語の「御」を付けた形で ) 死ぬことを、その人を敬っていう語。→お隠れ。
- [初出の実例]「遂に御かくれありけるとぞきこえし」(出典:平家物語(13C前)六)
- ④ 尻(しり)。
- [初出の実例]「尻(カクレ)に在るをば墨雷と曰ひ」(出典:日本書紀(720)神代上(水戸本訓))
- ⑤ ⇒かぐれ
かくし【隠】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「かくす(隠)」の連用形の名詞化 )
- ① 人に知られないようにすること。また、そのためのもの。人目につかない所。
- [初出の実例]「『かくしの方にやあらむ』と宣ふ」(出典:落窪物語(10C後)四)
- 「長い袖をかくしにしてかおをかくいたぞ」(出典:玉塵抄(1563)一三)
- ② 外からの守りとなるもの。防御施設。また、伏兵。
- [初出の実例]「国家(みかと)此の時に望みたまひて壱岐対馬に多く伏兵(カクシ)を置きて、至(まういた)らむを候(ま)ちて殺したまへ」(出典:日本書紀(720)敏達一二年是歳(前田本訓))
- ③ 衣服に縫いつけた小さな袋。衣服の内側に作った物入れ。ポケット。
- [初出の実例]「長五郎金を腹掛の隠(カク)しへ入れる」(出典:歌舞伎・夢結蝶鳥追(雪駄直)(1856)序幕)
- 「何故に梨子(なし)を取りて、夾袋(ポッケット)(〈注〉カクシ)に蔵(かくさ)ざりしや」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一三)
かくろえかくろへ【隠】
- 〘 名詞 〙 ( 下二段動詞「かくろう(隠)」の連用形の名詞化 )
- ① 人に知られないでいられるような物陰。
- [初出の実例]「年ごろだに、何のたのもしげある、このもとのかくろへも侍らざりき」(出典:源氏物語(1001‐14頃)総角)
- ② 外から知れない事柄。秘密。
- [初出の実例]「何事のかくろへあるにか、深くかくし給ふとうらみて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)梅枝)
なばり【隠】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「なばる(隠)」の連用形の名詞化 ) 隠れること。伊賀国(三重県)名張の地名にかけて用いられることが多い。
- [初出の実例]「暮(よひ)に逢ひて朝面(あしたおも)無み隠(なばり)にか日(け)長く妹が廬(いほり)せりけむ」(出典:万葉集(8C後)一・六〇)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「隠」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の隠の言及
【謎】より
…表面の意味の背後に別の意味を隠しておき,それを当てさせようと誘いかける言語表現の一方法。言語遊戯の一つ。…
※「隠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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