河内(読み)ハノイ

デジタル大辞泉 「河内」の意味・読み・例文・類語

ハノイ(Hanoi)

ベトナム社会主義共和国の首都。同国北部にあり、ホン川に臨む水陸交通の要地で、11世紀に李朝が都を置き、政治・経済・文化の中心地として発展。化学工業や機器製造が盛ん。歴代の王宮が発見されたタンロン遺跡、11世紀建立の同国初の大学である文廟をはじめ、歴史的遺跡が多い。人口、行政区263万、都市圏645万(2009)。
[補説]「河内」とも書く。

かわち〔かはち〕【河内】

旧国名の一。五畿に属し、現在の大阪府南東部にあたる。河州かしゅう

こうち〔かふち〕【内】

《「かわうち」の音変化》川の流域に開けた平地。
「高知らす吉野の宮はたたなづく青垣ごもり川なみの清き―そ」〈・九二三〉

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精選版 日本国語大辞典 「河内」の意味・読み・例文・類語

こうちかふち【河内】

  1. ( 「かわうち」の変化した語 )
  2. [ 1 ] 〘 名詞 〙 川の流れを中心として、両岸一帯の地域。
    1. [初出の実例]「山川の 清き河内(かふち)と 御心を 吉野の国の」(出典:万葉集(8C後)一・三六)
  3. [ 2 ] 旧国名の一つ。畿内五か国の一つ。現在の大阪府の一部。河州。かわち。
    1. [初出の実例]「天皇を河内(カウチ)の国の長野の陵(みささき)に葬(かく)しまつる」(出典:日本書紀(720)神功二年一一月(北野本南北朝期訓))

かわちかはち【河内】

  1. [ 一 ] 畿内五国の一つ。古くは淀川の内の方の意で「凡河内(おおしかわち)」「大河内」といった。大化改新後、一国となる。鎌倉時代は北条氏一門が守護。建武中興のとき楠木正成の拠地となり、以後、畠山・細川・三好氏が支配。江戸時代は一部天領。廃藩置県後、堺県を経て、明治一四年(一八八一)大阪府に編入。東大阪市内にその地名が残る。河州。こうち。
  2. [ 二 ] 栃木県の中央部の郡。鬼怒川と黒川の間にある。明治二九年(一八九六)郡内に宇都宮市が成立。

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日本歴史地名大系 「河内」の解説

河内
かわうち

鮎沢あゆざわ(現甲西町)以南の富士川流域をさす呼称。河内谷という呼び方もあった。広義の国中くになかに含まれることもある。地名は幾つかの河の集まる所の意味だとの説が強い。康暦二年(一三八〇)から至徳二年(一三八五)に書写された現身延みのぶ南松なんしよう院所蔵大般若経の奥書に「河内」と書かれている。「勝山記」には永正一〇年(一五一三)、河内の穴山道義入道が子息清五郎に討たれたとある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「河内」の意味・わかりやすい解説

河内(熊本県)
かわち

熊本県熊本市西区の一地域。旧町名。1971年(昭和46)河内芳野(よしの)村が町制施行で河内町と改称。1991年(平成3)熊本市に編入され、市の西北部を占める。河内川流域の沖積地を除けば、ほぼ全域が更新世(洪積世)末期火山岩(安山岩類)からなり、地形的には、旧町域の北端に位置する二ノ岳(685メートル)と、南端の金峰(きんぽう)山(665メートル)の両斜面が複合した形状を呈し、さらに全体として緩傾斜をなしながら、西の島原湾に至る。温州ミカン(うんしゅうみかん)栽培の先進地として知られ、標高約400メートル以下、傾斜角約40度以内の傾斜地はほとんどミカン園になっている。生果以外の市場開発を目ざしたミカンを原料としたブランデー生産は、公営事業として成功を収めている。臨海地域は、久しくノリ、アサリ養殖を主に、自給畑作を兼ね営んでいたが、隣接の熊本市街地との交通が便利になった(主要地方道の整備)ことから、一部には自給畑作地をミカン園に造成し、ミカン狩りと潮干狩りとを兼ねた二季型の観光地形成が認められる。観光地に河内温泉金峰山県立自然公園がある。

[山口守人]


河内(石川県)
かわち

石川県南部、石川郡にあった旧村名(河内村(むら))。2005年(平成17)松任(まっとう)市、石川郡美川(みかわ)町、鶴来(つるぎ)町、吉野谷(よしのだに)村、鳥越(とりごえ)村、尾口(おぐち)村、白峰(しらみね)村と合併し、白山市(はくさんし)となり、市の中央部を構成する。手取(てどり)川の支流、直海谷(のうみだに)川流域の山村で、深雪地帯にある。国道157号が通じる。白山の開祖、泰澄(たいちょう)が止宿したと伝える宿ノ岩遺跡(しゅくのいわいせき)があり、地名は平安時代の河内荘(しょう)にちなむ。江戸時代、銀山があり、木炭、繭、タバコなどを産した。第二次世界大戦後、木炭生産が衰退し、過疎化が進んだが、一方、水力発電所の設置や、キノコ栽培、キャンプ場、スキー場開発に力を入れている。

[矢ヶ崎孝雄]

『上山秀之著『河内村風土記』(1966・石川県図書館協会)』『『河内村史』全2巻(1981~1983・河内村)』


河内(広島県)
こうち

広島県南部、賀茂郡(かもぐん)にあった旧町名(河内町(ちょう))。現在は東広島市(ひがしひろしまし)の一地区。旧河内町は1924年(大正13)大河(おおかわ)村が町制施行して成立。1955年(昭和30)戸野(との)村と合併、1956年入野(にゅうの)村を編入。2005年(平成17)東広島市に編入。JR山陽本線、国道432号が通じ、山陽自動車道の河内インターチェンジがあり、広島・東広島両市の市街地への通勤圏にある。旧町域は山地がちで、沼田川の上流域にあたる。米作中心の農業が主で、林業も行われる。近くに広島空港(所在は三原(みはら)市)ができたことにより、臨空団地、流通工業団地が造成され、企業進出がみられる。行基(ぎょうき)の開基と伝えられる古刹(こさつ)竹林寺(ちくりんじ)、椋梨(むくなし)ダムによってつくられた白竜湖とその上流の深山(みやま)渓などは竹林寺用倉山県立自然公園になっている。

[北川建次]


河内(栃木県)
かわち

栃木県中央部、河内郡にあった旧町名(河内町(まち))。現在は宇都宮市(うつのみやし)の東部中央寄りを占める地域。旧河内町は1966年(昭和41)町制施行。2007年(平成19)宇都宮市に編入。JR東北本線(宇都宮線)、国道4号が通じる。宇都宮市の発展とともに、企業、住宅団地の進出が著しく、市の中心部市街地への通勤、通学者も年々増加している。旧町域の東縁を鬼怒(きぬ)川が南流し、田川沿岸低地とともに水田が広がる。宇都宮東台地上には逆木用水(さかさぎようすい)の通水後に成立した新田集落が多い。米麦作を中心にナシ、タマネギなどを産するが、都市化に伴って農業人口は大幅に減少している。国指定重要文化財の民家である岡本家住宅がある。

[櫻井明久]

『『河内町誌』(1982・河内町)』


河内(町)
かわち

茨城県南部、稲敷郡(いなしきぐん)にある町。利根川(とねがわ)沿いに東西19.2キロメートル、南北2.8キロメートルの細長い町で、低湿な氾濫原(はんらんげん)と農村集落からなる。1996年(平成8)町制施行。国道408号が走り、長豊(ながとよ)橋経由で千葉県成田市に通じる。室町時代中ごろには集落が形成され、江戸時代以降耕作地として開け、天領、旗本領となった。耕地面積のほとんどは水田で米の単作地帯。第二次世界大戦後に堤防利用の酪農が発達し、利根川下流域に広がった。面積44.30平方キロメートル、人口8231(2020)。

[櫻井明俊]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「河内」の意味・わかりやすい解説

河内
かわち

石川県南部,白山市中北部にあり,白山の麓,手取川中流域の一部と支流直海谷川(のみだにがわ)の流域に位置する旧村域。1889年村制。2005年松任市,美川町,鶴来町,吉野谷村,鳥越村,尾口村,白峰村と合体して白山市となった。名称は中世以来の荘名に由来する。地域の大部分が山地,丘陵で,手取川沿いと直海谷川沿いに集落がある。農業はイネの種子生産地に指定され,工業は採石業が行なわれている。過疎問題が深刻であったが,スキー場,保養施設を中心とするリゾート開発とともに宅地造成が推進された。直海谷川支流板尾川の不動滝一帯は,獅子吼高原手取峡谷とともに獅子吼・手取県立自然公園に指定。

河内
こうち

広島県中南部,東広島市東部の旧町域。沼田川中流域にある。 1924年町制。 1955年戸野村および豊田村の一部と合体。 1956年入野村を編入。 2005年東広島市に編入。米作が農業生産のほとんどを占めるが,兼業農家が主体。近年,宅地化が進んでいる。 1968年沼田川の支流椋梨川に椋梨ダムが完成し,三原市や尾道市へ給水されている。竹林寺と用倉山を中心とする一帯は景勝地で,竹林寺用倉山県立自然公園に属する。

河内
かわち

栃木県中部,宇都宮市北東部の旧町域。下野平野の北部にある。 1955年古里村,田原村が合体して河内村となり,1966年町制。 2007年宇都宮市に編入。かつて奥州街道沿いに白沢宿が栄えた。農業のほか,製紙,食品,一般機械工業が盛ん。兼業農家が多い。江戸時代の庄屋格組頭であった岡本家住宅 (国指定重要文化財) がある。

河内
かわち

熊本県中部,金峰山地にあり,有明海にのぞむ地区。旧町名。 1991年熊本市に編入。山地の斜面ではミカンの栽培が盛ん。海岸部に単純泉 (弱食塩泉) の河内温泉が,金峰山には夏目漱石の小説『草枕』ゆかりの峠の茶屋がある。付近は金峰山県立自然公園に属する。面積 33.95km2

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百科事典マイペディア 「河内」の意味・わかりやすい解説

河内[町]【こうち】

広島県中部,賀茂郡の旧町。沼田(ぬた)川中流域の山間盆地に主集落中河内があり,山陽本線,山陽自動車道が通じ,地方の交通・商業の中心をなす。木材を取引,割りばし工場,製材所がある。2005年2月賀茂郡黒瀬町,福富町,豊栄町,豊田郡安芸津町と東広島市へ編入。84.68km2。7039人(2003)。

河内[町]【かわち】

栃木県中部,河内郡の旧町。鬼怒(きぬ)川中流西岸の平地を占め,南部に東北本線岡本駅がある。中心市街の白沢は江戸時代,奥州街道の宿場町であった。米,麦,大豆,タマネギ,シイタケなどを産する。食品,機械などの工業も行われる。宇都宮市への通勤者が多い。2007年3月,河内郡上河内町と宇都宮市へ編入。47.72km2。3万5177人(2005)。

河内[町]【かわち】

茨城県南部,稲敷郡の町。1996年6月1日,河内村から町制。利根川中流部北岸の穀倉地帯に位置し,北部を新利根川が東流する。西は龍ヶ崎市に,南は利根川を境に千葉県に接する。機械化の進んだ米作と,イチゴ,イチジクの栽培が盛んである。1975年東部工業団地が造成され,工業化が進んだ。毎年5月,田川地先のレンゲ畑でレンゲまつりが行われる。東日本大震災で,町内において被害が発生。44.30km2。1万172人(2010)。

河内(熊本)【かわち】

熊本県北西部,旧飽託(ほうたく)郡の旧町。島原湾にのぞむ。温州ミカンの大産地で,耕地の90%近くを占める。南部に金峰(きんぽう)山があり,海岸に河内温泉がある。1991年,熊本市に編入。

河内(大阪)【かわち】

大阪府東大阪市の中部地区。1955年市制の旧河内市で,江戸時代は綿作地,明治以後は近郊農業地として発達,野菜,花卉(かき)を産する。近年は宅地化,工場用地化の傾向が著しく,電線,電機,機械器具などの工業がみられる。近鉄奈良線,けいはんな線,近畿自動車道が通じ,花園ラグビー場がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「河内」の意味・わかりやすい解説

河内 (かわち)

熊本県中部,飽託(ほうたく)郡の旧町。1991年飽託郡の他の3町とともに熊本市へ編入。旧町域は西は有明海に面し,南に金峰山,北に二ノ岳,三ノ岳がそびえ,平地は少ない。河内ミカンの名で知られるミカンの一大産地で,江戸時代以来の歴史をもち,世界初のミカンの蒸留酒製造が試みられている。沿岸ではクルマエビ,アサリなどの浅海漁業とノリ養殖が行われる。金峰山一帯は県立自然公園に指定され,海岸線の突端には河内温泉(純食塩泉,36~43℃)がある。
執筆者:


河内[町] (かわち)

茨城県南端,稲敷郡の町。人口1万0172(2010)。1996年町制。利根川北岸の沖積低地を占め,北部を新利根川が流れる。近世初期に新田が開発され,早場米地帯として知られた。湿田が多かったが,1960年代後半から圃場整備が進み,農作業の機械化と兼業化が著しい。東部の金江津ではれんこんの生産,利根川河川敷では酪農が行われる。近年,機械金属や化粧品などの工場が進出している。利根川対岸の千葉県との間に長豊橋,常総大橋がかかる。
執筆者:


河内 (かない)
Hé nèi

中国,河南省の北東部,東と南とを黄河に囲まれた地域の古名。だいたい今日の安陽・新郷2地区を占め,古代文化の発生地の一つである。戦国時代には魏国の領土で,漢代その西部に河内郡がおかれ,のち懐州とも称し,明・清時代には懐慶府といわれた。行政中心は初め懐県であったが,晋代に野王県に移り,隋代以後,河内県と改められたのであって,今日の沁陽(しんよう)県に当たる。
執筆者:


河内(栃木) (かわち)


河内 (こうち)


河内(石川) (かわち)

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デジタル大辞泉プラス 「河内」の解説

河内

日本海軍の戦艦。河内型戦艦の1番艦。1910年進水、1912年就役の弩級戦艦。第一次世界大戦では第一艦隊旗艦などをつとめた。1918年、徳山湾で爆発事故により沈没。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「河内」の解説

河内 かわち

俊子内親王家河内(としこないしんのうけの-かわち)

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世界大百科事典(旧版)内の河内の言及

【ハノイ】より

…ベトナム北部のトンキン・デルタの中央やや北寄りに位置する。中国語で河内と記されるように,ソンコイ川本流とその支流ドゥオン川に囲まれた地域に立地する。河口から約150km上流にあるが,標高は6mにすぎず,乾季にはトンキン湾の潮汐の影響がこの付近にまで及ぶ。…

【三河】より

…中国の前漢時代に河東,河内,河南を総称した地名。河東は南流黄河の東部で今日の山西省南西部,河内は東流黄河が太行山脈の南東角から転じて北流する屈曲部の内側,今日の河南省北部,河南は黄河の南側に当たる河南省中部をさす。…

※「河内」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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