デジタル大辞泉 「アルファベット」の意味・読み・例文・類語
アルファベット(alphabet)
[補説]ラテン文字アルファベット26字
大文字:A, B, C, D, E, F, G, H, I, J, K, L, M, N, O, P, Q, R, S, T, U, V, W, X, Y, Z
小文字:a, b, c, d, e, f, g, h, i, j, k, l, m, n, o, p, q, r, s, t, u, v, w, x, y, z
[類語]ABC・文字・
翻訳|alphabet
広義には,起源・原理のいかんにかかわらず,伝統的な一定の配列順序をもった文字体系を指すが,ここでは通常ラテン文字と呼ばれ,現在ほとんど全世界で最も広く用いられている文字体系について述べる。アルファベットという名称は,ギリシア文字の最初の2文字の名を結合したものであるが,この文字体系はギリシア人の発明したものではない。古代ギリシア人自身この文字のことを〈フェニキアの文字〉と呼んでいたこと,〈フェニキア文字〉がギリシア文字--とくに初期のそれ--と非常によく似た字形,名称,配列をもつこと,各文字の名称が後者からは説明できないのに前者からは説明できること,などの事実から,ギリシア人が当時の海洋民族たるフェニキア人からこの文字体系を学んだものであることは,確定的である。
(1)北西セム文字 〈フェニキア文字〉は前2千年紀の中ごろから,フェニキア語だけでなく,同じく北西セム語族に属するヘブライ語,モアブ語,アラム語の表記にも用いられ,正確には北西セム文字と呼ばれるべきであろう。この文字体系は,それまでメソポタミアやエジプトで用いられてきた象形楔形(くさびがた)文字やヒエログリフ(聖刻文字)のように1字で1語や1音節を表記するのではなく,一つの単音ないし音素を表記するという原理に基づくものであり,したがってその数も22個と少なく,字形も単純化されている。誰が何に,何で書くかによって書体は当然少しずつ相異なるが,前1千年紀の北西セム語資料に見られる限り基本的には同じ字形が保たれている。表には,ギリシア文字との比較上,死海東岸のモアブの王メシャが建てた前9世紀の碑文の書体を掲げる。文字の配列順序は,前14世紀の北西セム語であるウガリト語の楔形文字土板の中に発見された文字表における順序がこの通りであることから,すでに前2千年紀中ごろには定着していたことが推定される。北西セム文字がセム人の独創であるのか,それとも他の文字体系からの発展であるのかについては,説の分かれるところであるが,前18世紀ころに作られたと考えられるシナイ文字を経て古代エジプトのヒエログリフにさかのぼるという説も,考慮に値しよう。すなわちヒエログリフが700個以上の象形音節文字から成るのに対し,シナイ文字は象形文字の面影を残しながらも,その数30に満たぬ子音文字であって,各字形の表す物が,それに対応する北西セム文字の各名称の示す物と一致する場合が多いのである。このシナイ文字と同種の文字は,前2千年紀前半のカナン出土の碑文にも確認され,さらにこれを前8世紀以降の南アラビア語碑文の文字と比較すると,明らかな類似が認められ,北西セム文字以前にこの文字体系がカナン地方で一般に用いられていたことはほぼ確実である。ただしこの文字体系は,上述のウガリト文字と同じく,南セム語では保たれながら前1千年紀の北西セム語では消滅した五つの音素を表す文字を保存している。
表に掲げた北西セム文字の名称は,ヘブライ語における伝統的な名称である。各文字の名称と音価の関係は,いわゆる〈頭音〉方式acrophonyで,例えば'āleph(牡牛)は ' ,bēth(家)はbというように,名称の最初の単音を音価としている。そしてセム語の単語は必ず子音で始まるから,この方式によれば文字はすべて子音だけを表記することになる。しかしセム語では多くの場合,単語の基本的意味が子音によって担われ,母音はいわば補助的役割しか果たさないから,母音は表記しなくても文脈から判読できるのである。
(2)ギリシア文字 ギリシア人がフェニキア人から文字を借用したのは前9世紀ころと推定される。その際,セム語と違って母音の種類が多く,母音も子音と同等に基本的意味を担うギリシア語に,子音しか表さない北西セム文字をそのまま適用することは不可能であった。そこでギリシア人が採った方法は,ほぼ同じ音価の文字Β,Γ,Δ,Η,Κ,Λ,Μ,Ν,Π,Ρ,Τはそのままギリシア語に適用する一方,ギリシア語にない音素を表す文字については,その一部を母音文字とし,他はセム語にはなくてギリシア語にはある子音音素を表すために用いる,という方法であった(以下,北西セム文字はその音価を表す小文字によって引用する。表参照)。まずセム語の喉音文字は母音字として転用され('→Α,h→Ε,`→Ο),半母音字yとwもそれぞれ母音字Ι,Yとされた。もっともセム語においても,声門音字',hと半母音字y,wは長母音の表記には利用されていたから,この方式もギリシア人の独創ではない。当時のギリシア語には半母音/w/があったから,その表記にはセム文字wの異字体を当ててFを作った。次にセム語の歯擦音字のうち,Ζは破擦音/dz/の表記に当て,/s/の表記には,地方によってṣ(→Μ)またはš(→Σ)が当てられた。セム文字sは音価を与えられぬまま文字として保存された。ギリシア人は北西セム・アルファベットを,すでに完成した文字表として学び,配列順に付けられていた数値もそのまま継承したから,言語音の表記に不必要な文字があっても捨て去るわけにはいかなかったのである。セム語子音体系のもう一つの特色である強音を表す文字については,qは後母音u,oの前の/k/の表記に,ṭは帯気音/th/の表記に,転用した。以上の初期ギリシア・アルファベットの段階で,それまで不完全な表音文字体系であったものが,1字1音素の原理に基づくほぼ完全な音素文字体系に作り変えられたのである。次の段階では,/th/以外の帯気音を表す補足文字としてΦ,Χ,Ψが作られ,このうちΧ,Ψは音価が地方によって異なったが,最終的には/kh/,/ps/を表すことになる。そして最終段階では,F,Μ(san),(koppa)が音価を失い,/s/を表す文字はΣに統一され,Ξは/ks/という音価を与えられる。さらに一部の方言における/h/の消滅に伴いΗが[ɛː]を表すようになると,それに平行して[ɔː]を表すΩが作られ,こうして前4世紀ころには24文字から成る標準ギリシア・アルファベットが完成した。文字の配列の仕方も,古くは北西セム文字と同じく右から左に書かれていたのが,左右交互に往復して書く〈牛耕式〉段階を経て,古典期には左から右へ書く現在の書法に落ち着き,それに伴って各文字の字形も左右逆転した。
(3)ラテン文字 前8世紀以降のギリシア人の植民活動によってそのアルファベットは周辺諸民族の間に広がり,各地にそれぞれの言語の特徴を反映した文字体系を発達させたが,小アジアでは前4世紀以来のヘレニズム化の波に押し流されて,その言語とともに死滅した。イタリア半島では,エトルリア人を介して諸民族に伝えられ,ラテン,オスク,ウンブリア,ベネト等の諸語の表記に採用されたが,これらイタリア諸語はローマの興隆に伴いエトルリア語と共に姿を消し,ラテン語とその文字だけが生き残ることとなった。エトルリア文字の最古の資料は前700年ころの象牙板文字表であるが,これには22文字から成る初期ギリシア・アルファベットに補足文字Y,Φ,Χ,Ψを加えた26個の〈原エトルリア文字〉が書かれており,その字形も初期ギリシアのものとほとんど同じである。この文字体系は前4世紀以後エトルリア語の特徴に合わせて変えられる以前に,ローマ人に採用されたらしい。エトルリア語には音素/g/がなかったので,セム文字以来/g/を表していたΓが/k/を表すようになり,しかもすでにK,Qという文字が存在するため,Γ(=C)はe,iの前,Kはaの前,Qはuの前でだけ用いられて,それぞれ/k/を表した。この点はラテン・アルファベットにも受け継がれ,ラテン語では/k/と/g/の対立があるにもかかわらず,どちらもCで表記されるという不便は,前3世紀中ごろ,Cに横棒を加えたGによって/g/を表記するという方法が考案されるまで続いた。しかしローマ人は原エトルリア文字をそのまま受け取ったわけではなく,ラテン語の表記に不必要な歯擦音文字,帯気音文字は捨てたのであり,それに伴い文字表からZが消え,後にその位置に上記のGが入ることになる。Gができた結果,Cはしだいに/k/専用の文字となり,Kはkalendae(朔日)などごく一部の単語に,しかも多くは略字として残るだけとなる。一方Qは常にVを従えて,唇音化した/kw/の表記にのみ用いられるようになった。ラテン文字におけるもう一つの大きな変革は,セム文字以来/w/を表してきたFが/f/表記専用の文字となった一方,ラテン語における狭母音と半母音の対立が書き分けられず,/i/と/j/がIで,/u/と/w/とがVで書かれるようになったことである。字体は,Γ,Δ,Σが丸みを帯びてC,D,Sとなり,Λが向きを変えてLとなる一方,ΠがPとなって/r/を表すPと同形になったため,後者に線を加えRとした。こうして前1世紀ころには21文字のラテン・アルファベットが完成し,その後ギリシア語からの借用語の増加に伴い,ギリシア文字からY,Zが借用された。10世紀ころになってようやく,それまで書体的変種でしかなかったUとVとがそれぞれ母音字,子音字として分化し,同様にして15世紀ころにはIとJが分化した。Wは〈二重のV〉という名の示すようにVを重ねた文字で,11世紀ころノルマン人の書写生によって,英語の/w/を写すために用いられ始めた。
大文字,小文字の区別はセム文字にはなく,ギリシア,ラテンでも古代には現在の〈大文字〉しかなく,しかも語間をあけずに書かれた。これを行書風に崩して書いたものからしだいに現在の〈小文字〉が発達した。ラテン文字の名称は,セム文字のような頭音方式ではなく,単純な音価方式である。すなわち母音文字はその音価を長く延ばし,子音文字は,破裂音の場合には各音価の後にēを添え(ただしKはkā,Qはkū),持続音の場合(F,L,M,N,R,S)は逆に各音価の前にeを付けて呼んだ。ただしHはhāであったが/h/の消失に伴い,Aと区別するためachと呼ぶようになったと考えられる。以上の名称は,例えば現代英語アルファベットの呼称からも再構できる。
執筆者:松田 伊作
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
原則として1文字が1音を表す東地中海地方起源の文字体系で、今日では英語をはじめとする多数の言語の表記に用いられている。アルファベットという名称は、この文字体系の最初の2字のギリシア名アルファおよびベータから出ているが、これらは古代セム語でそれぞれ「牛」および「家」を意味する語とつながりをもつ。
アルファベット成立の事情については不明の点が多いが、紀元前2000~前1500年間に、東地中海地方でセム語族に属するフェニキア人によってつくりだされたと思われる。アルファベットの祖型に近いものとしては、20世紀初頭にシナイ半島で発見されたシナイ文字があり、またほぼ同じころビブロス旧址(きゅうし)でみつけられたビブロス文字は、古代エジプトのヒエログリフとフェニキア・アルファベットの橋渡しをなしているものと考えられる。
シナイ文字およびフェニキア文字は22個からなり、子音しか表記しなかったが、この方式は今日使われているアラビア文字やヘブライ文字の用法に継承されている。この初期アルファベットはアクロフォニー(頭音)の原理によってつくりだされた。これは、ある語の図形でその語の頭音を代表させるもので、たとえば「牛」の図形でその語'alefの頭音’(一種の喉音(こうおん)を表す)を、また「家」の図形でその語bētの頭音bを表した。初期のフェニキア文字刻文としては、シャパトバアル刻文、アヒラム王刻文、ゲゼルの農業暦、メシャ王刻文などがあり、前13~前9世紀のものとされる。
フェニキア人は地中海周辺各地に移民したため、フェニキア文字は広範囲に使用された。ギリシア人はフェニキア文字を借用してギリシア語を表記したが、このとき若干のフェニキア文字を母音の表記用に用いた。こうして今日のA、I、U、E、Oなどの原型ができた。このギリシア文字は今日でも現代ギリシア語の表記に用いられている。またギリシア文字からスラブ系諸文字がつくられ、今日のロシア語、ブルガリア語、セルボ・クロアチア語などの表記に使われている。他方、中部イタリアの古代民族エトルリア人はギリシア文字を借用したが、ラティウム出身のローマ人はこの文字を借りてラテン語を表記するようになった。このラテン文字(ローマ字)は、そののち西ヨーロッパ諸語の表記に使われるようになり、アルファベット文字体系の代表とみなされるに至った。
ラテン文字は近代のアルファベットの大半を含んでいるが、古期にはCとG、UとVの区別がなく、IとJの区別も近代になってからのものである。また、アルファベット文字体系は本来は1文字が1音(もとは単子音)を表したが、ギリシア文字のψ[ps]、ラテン文字のx[ks]、ロシア文字のщ[ʃtʃ]などのように複音を表すものも付け加えられている。
フェニキア文字からアラム文字が生じて、東方における多くの文字体系に発展した。シリア文字、イラン系諸文字、モンゴル文字などがそれであり、カフカスのアルメニア文字とジョージア(グルジア)文字は今日も用いられている。またアラム文字は前5世紀前後にインドに伝えられ、インド系諸文字および東南アジア諸文字を生ぜしめた。文字の構造の点からみれば、単音表記のアルファベット文字は、ここでは母音を表す記号と組み合わされて、日本文字体系における仮名文字のような音節文字になり、文字数も数百個に増えた。同じことはフェニキア文字、南アラビア文字を介して生じたエチオピア文字についてもいうことができる。これらの音節文字はアルファベット大体系に属する文字体系ではあるが、もはやアルファベット式ということはできなくなっている。
本来のアルファベット文字体系の特徴は、それ以前に使われていた楔形(くさびがた)文字やヒエログリフの体系に比して文字数がきわめて少ない点にあり、フェニキア文字では22個、古典期のギリシア文字では24個のみが使われた。のちに近代諸語の表音に使われるようになり、英語で26、ロシア語で33というように若干文字数が増えたが、この程度の文字数は学習が容易であり、識字率の増大、知識の普及、情報交換の能率化に貢献している。
他方、アルファベット大体系には属さない文字体系にも、アルファベット式文字が使われていることがある。古代エジプトのヒエログリフで使われている約24個の単音文字、東地中海岸の古代都市国家ウガリットで使われていた、30個の子音のみを記す楔形文字などがあげられる。
なお、一般に各言語がもっている基本的音韻あるいはそれを表記する文字を、その言語のアルファベットとよぶ場合もある。
[矢島文夫]
1字1音の原則にもとづく表音文字体系。祖型は前2千年紀前半の原カナーン文字。ここから同千年紀半ばすぎに北セム系と南セム系の2系統が生まれた。これらは文字の配列順序だけでなく,全文字の半数程度の字形が異なる。文字はすべて子音字。北セム系はウガリト文字の他はすべて線状文字で,フェニキア文字に至って確立。前1千年紀に入ると,ここから現行の全東方文字(漢字系を除く)の母体となったアラム文字と,ラテン文字系やロシア文字系を含む全西方文字の母体となったギリシア文字が生まれた。ギリシア文字の段階で母音字が加えられた。他方の南セム系は,前2千年紀末にラクダを使う隊商交易が行われるようになると,隊商路に沿ってアラビア各地に伝播し独自の発展をとげた。なかでも南アラビア文字を母体とするエチオピア文字は,3~4世紀には音節文字に変貌した。南セム系で現在も使用されているのはこれのみで,他はすべてアラム文字系のアラビア文字にとって代わられた。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(2015-8-13)
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
…使用された文字はアッカド語に由来する楔形文字が最も多いが,エジプト語やヒッタイト語の聖刻文字,エーゲ海域に由来する音節文字なども見られる。文字に関して最も注目されるのは,楔形文字を転用した独自のアルファベットがウガリト語とフルリ語のために用いられたことである。それは30字からなり,原シナイ文字に続く世界最古のアルファベットの一つであり,上述の工芸品と共に後世のフェニキア文明の原型をなしている。…
…文字形成の素材は人体,人体の各部分,人の動作,動物(鳥,獣,魚,爬虫類,虫),植物,地形,天体,建造物,祭器,装身具,武器,農器具,道具,容器,食物など万般にわたり,基本的な文字の数は700余り。各文字は本来素材そのものを示すもの(表意文字)であったが,早くから音の転用による表音文字の働きをもするようになり,さらには〈頭音acrophony〉の活用によって24個のアルファベットが定められた。これは今日世界で広く用いられている各種アルファベットの遠い祖先である。…
…のち彼は王位を孫のペンテウスに譲り,妻を伴って赴いたイリュリアの地で,夫婦ともにゼウスによって蛇に変えられ,エリュシオンの野に送られたという。彼はまたフェニキアからギリシアへアルファベットを伝えたといわれる。テーベ伝説【水谷 智洋】。…
…漢文明が大河大陸性の文明であるのに比して,ギリシア文明は海洋性の特色が強い。しかし両文明,とりわけ文学の道を大きく分かつことになっているのは,漢字とアルファベット文字の違いである。漢字は象形文字から発達した複雑・多数の文字であるに比して,ギリシア語は前12世紀ごろは音節文字(約100個の文字による仮名記法)を,前8世紀以降は音声を24個の簡単な字による母音・子音の組合せとして表記するアルファベット記法を用いた。…
…たとえば,呪文として名高い〈アブラカダブラabracadabra〉はグノーシス派(グノーシス主義)の儀式にさかのぼり,呪術師が熱病を起こす悪霊の名〈アブラカダブラ〉を頭から順々に1字ずつ消していき,最後にA(アレフAleph=原一者,全能の神のしるし)を残すことによって病を治したといわれるが,部外者には単純な文字遊戯にも見える。西洋のアルファベットは,カバラ的神秘主義によれば,創造主エロヒムの手になるセフィロト(書かれたもの)から精霊が1文字ずつ切り取って石に造形したものとされ,全宇宙はこれらの文字のひそかな組合せによって支えられているとされる。イギリスの〈マザーグース〉をはじめ,西洋の童謡に広く見られる〈アルファベット歌〉の背後にも,そうした〈言霊信仰〉の余韻を聞くことができよう。…
…シリアはまた,他民族に見られない世界史への貢献もなしとげた。第1は,前2千年紀にフェニキア海岸で発明されたアルファベットである。これは西方では欧米の文字,西アジアではアラム文字やアラビア文字の起源となった。…
…古くは象形と指事とによるものを〈文〉と呼び,形声と会意とによるものを〈字〉と呼んだことがあったが,象形と指事とによるものがまずつくられたものであって,いずれも絵画的な象形文字に由来する。 ローマ字は〈ラテン・アルファベットLatin alphabet〉と称せられるように,ラテン民族によってつくりあげられた文字であるが,起源的にはロシア文字などとともにギリシア文字に由来する。ギリシア人はその文字をフェニキアの文字から借りたと信じていた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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