デジタル大辞泉 「けり」の意味・読み・例文・類語
けり[名]
[類語]幕切れ・終わり・最後・おしまい・終了・終結・
けり[助動]
1 過去に起こった事柄が、現在にまで継続してきていることを表す。…てきた。
「昔より言ひけることの
2 過去に起こった事柄を他から伝え聞いたこととして回想的に表す。…たということだ。…たそうだ。
「坊の傍らに大きなる
3 初めてその事実に気がついたことを詠嘆的に表す。…たのだなあ。…たなあ。
「ふるさととなりにし奈良の都にも色はかはらず花は咲きけり」〈古今・春下〉
4 眼前の事実を述べる。…た。…ている。→き(助動)
「夜すでに明けければ、なぎさに赤旗少々ひらめいたり」〈平家・一一〉
[補説]過去の助動詞「き」に動詞「あり」の付いた「きあり」からとも。過去の助動詞「き」が直接経験をいうのに対し、「けり」は伝聞的過去をいうのが特徴。4は中世以後の用法。未然形の「けら」は、上代に「けらず」「けらく」の形で用いられた。完了の助動詞「つ」に「けり」の付いた「てけり」においては、院政期ごろから「てんげり」の形でも用いられた。