チン(動物)(読み)ちん(英語表記)chin

翻訳|chin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チン(動物)」の意味・わかりやすい解説

チン(動物)
ちん / 狆
chin

哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。家畜イヌの1品種で、日本原産の犬種であるが、その祖犬は730年(天平2)新羅(しらぎ)より聖武天皇(しょうむてんのう)に献上されたイヌである。長らく上流社会の婦人の間で抱き犬として愛玩(あいがん)されてきた。日本原産犬種のなかでもっとも早く世界公認犬種となった。体高25センチメートル前後のスパニエルタイプの優雅な小形犬で、ペキニーズやチベッタンスパニエルに類似した風貌(ふうぼう)をもつ。被毛は絹糸状で、まっすぐで長い。耳、頸(くび)、もも、尾の飾り毛は豊かであるが、下毛に乏しい。尾は背負われ、足先は兎趾(うさぎあし)(足先の握りが細長いものをいう)状。歯の咬合(こうごう)は、切端咬合(門歯の切端が接する咬合)が望ましいが、アンダーショット(下あごの前歯が上あごの前歯より突き出た状態)も認められている。毛色白地に黒または赤の斑(はん)で、頭部の両側と耳、胴などに均等に斑があるほうがよいとされる。また、とくに口先から前額、頭頂にかけて白く抜けているものが好まれる。

増井光子


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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