並並(読み)ナミナミ

デジタル大辞泉 「並並」の意味・読み・例文・類語

なみ‐なみ【並並】

[名・形動]
なみひととおりであること。また、そのさま。多く、打消しの語を伴って用いる。「並並ならぬ苦労」「並並でない才能
同列・同等であること。ひとしなみ。
「何すと違ひは居らむいなも友の―われも依りなむ」〈・三七九八〉
[類語](1非常大変大層異常極度けた外れ桁違い並み外れ格段著しい甚だしいすごいものすごい計り知れない恐ろしいひどいえらい途方もない途轍とてつもないこの上ない筆舌ひつぜつに尽くしがたい言語げんごに絶する言語ごんごに絶する極めて至って甚だごく至極しごく滅法めっぽうすこぶるいともとても大いに実にまことに一方ひとかたならずめためたさんざっぱらさんざんさんざこってりめちゃくちゃめちゃめっちゃ底抜け恐るべきこよなく殊の外ひときわ特段度外れ法外べらぼうとんでもない類がない比類ない無上よっぽど度が過ぎる行き過ぎどえらい飛び切り段違い圧倒的かけ離れる

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精選版 日本国語大辞典 「並並」の意味・読み・例文・類語

なみ‐なみ【並並】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 同類であること。同じ程度であること。また、そのさま。ひとしなみ。
    1. [初出の実例]「何すと違ひは居らむ否(いな)も諾(を)も友の波々(なみなみ)我も寄りなむ」(出典万葉集(8C後)一六・三七九八)
    2. 「なべてに思す人の際は、宮仕へのすぢにて、中々心やすげなり。さやうのなみなみには思されず」(出典:源氏物語(1001‐14頃)総角)
  3. 良くもなく悪くもないこと。ありきたりであること。通りいっぺんであること。尋常であること。また、そのさま。打消を伴って、普通以上である、すぐれているなどの意で用いる。
    1. [初出の実例]「山城の泉の小菅凡浪(なみなみ)に妹が心を吾が思はなくに」(出典:万葉集(8C後)一一・二四七一)
    2. 「なみなみにはあらずと見ゆる男、女となげしに尻かけて、物語するさまこそ」(出典:徒然草(1331頃)一〇五)

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