去り難い(読み)サリガタイ

デジタル大辞泉 「去り難い」の意味・読み・例文・類語

さり‐がた・い【去り難い/避り難い】

[形][文]さりがた・し[ク]
離れられない。捨てきれない。「―・い思いにかられる」
避けられない。のがれにくい。
人間儀式、いづれの事か―・からぬ」〈徒然・一一二〉
断りにくい。拒むことができない。
「―・きはなむけなどしたるは」〈奥の細道
[類語]名残惜しい惜しいもったいないあたら残念残り惜しい残り多い口惜しい惜しむ心残り物惜しみ未練愛惜痛惜後ろ髪未練がましい後を引くしつこい執念深いねちっこいねついねちねち悪あがきうじうじうだうだいじいじぐじぐじもじもじ因循断腸の思い負け惜しみこだわる尾を引く執拗恋恋れんれん惜しげ思い残すたゆたう思い迷う忍びない

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精選版 日本国語大辞典 「去り難い」の意味・読み・例文・類語

さり‐がた・い【去難】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]さりがた・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 立ち去りにくい。離れがたい。別れにくい。
    1. [初出の実例]「そむきぬる世のさりがたきやうに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
    2. 「つかのまもさりがたう思はれける北方、をさなき人々にも」(出典:平家物語(13C前)二)
  3. 捨てさりにくい。手放しにくい。
    1. [初出の実例]「さまざま道の絆もえさりがたくのみ侍れば」(出典:夜の寝覚(1045‐68頃)四)
    2. 「去(サリ)がたき因果のたねを身にやどし」(出典浄瑠璃蘆屋道満大内鑑(1734)四)

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