(読み)ガイ

デジタル大辞泉 「害」の意味・読み・例文・類語

がい【害】

悪い結果や影響を及ぼす物事。「健康にがある」「農作物を及ぼす」⇔
[類語]有害害悪害毒危害被害禍害惨害惨禍災禍災害なん災い被災災難天変地異天災人災地変風害風水害冷害霜害雪害干害渇水旱魃水涸れ病虫害虫害煙害公害薬害災厄凶事禍根舌禍筆禍試練危難国難水難水禍海難受難遭難罹災貧乏くじ馬鹿を見る弱り目にたたり目泣き面に蜂

がい【害】[漢字項目]

[音]ガイ(呉) [訓]そこなう
学習漢字]4年
生命を途中で断つ。そこなう。傷つける。「害意加害危害殺害自害傷害侵害迫害
順調な生存の妨げになるもの。災い。「害悪害虫害毒公害災害惨害実害水害損害被害弊害無害有害利害冷害
邪魔をする。「障害阻害妨害要害

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精選版 日本国語大辞典 「害」の意味・読み・例文・類語

がい【害】

  1. 〘 名詞 〙
  2. そこなうこと。傷つけること。→害する
    1. [初出の実例]「応感不嫌又不厭、且知無害亦無機」(出典:菅家後集(903頃)詠楽天北三友詩)
  3. 人や事物に与えるよくない影響。わざわい。さわり。また、さまたげ。⇔益(えき)。→害(かい)
    1. [初出の実例]「此は物(もの)の気(け)也。但し人の為に害を可成き者には非(あら)ず」(出典:今昔物語集(1120頃か)二七)
    2. [その他の文献]〔詩経‐邶風・泉水〕

かい【害】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「かい」は「害」の漢音 ) さまたげ。さわり。じゃま。故障。わざわい。→害(がい)。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「蜻蜓(とんぼう)は草葉に止りて水を飲み、己(おのれ)飽足(あきだ)りて蓄(たくはへ)無し。この故に邪(よこしま)の害(カイ)を受けず」(出典:仮名草子浮世物語(1665頃)四)

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普及版 字通 「害」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

(旧字)
10画

[字音] ガイ
[字訓] そこなう・わざわい

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
把手のある大きな針+口。口((さい))は祝詞を収めた器。その器に上部から把手のある大きな針を加え、その祝の呪能を害する意。〔説文〕七下に「傷つくるなり」と訓し、字は宀(べん)と口とに従い、「言、家よりるなり」と口禍が家の内より起こる意とするが、祝の呪能を害する意。

[訓義]
1. そこなう、いためる。
2. さまたげる、きずつける、じゃまする。
3. わざわい、うれえ。
4. 困難、険阻。
5. 何・曷・盍と通じ、なんぞ、いつか。
6. (かい)と通じ、もとむ。

[古辞書の訓]
名義抄 コロス・ヤブル・フフム・ソコナフ・ナズン(レ)ゾ

[声系]
〔説文〕に声として(割)・(轄)など六字を収める。の形声字。他はおおむね割害・割開の意をもつ。〔説文〕は字を(かい)声にしてその声義を承けるとするが、の金文はその形に従う字ではない。

[語系]
金文に「(もと)む」とする用法があり、また「(もと)む」「气(もと)む」の例がある。hatkat、气khitはその声が近い。は屍骨の象に従い、その呪霊を用いる字、气は雲気を望んで祈る意で、乞と同源。・气と声近くして通用する字である。また疑問副詞の用法は何hai、盍hap、胡ha、曷hatと声が近く、通用の義。

[熟語]
害悪・害意・害危・害義・害虐・害咎・害寇・害・害傷・害心・害・害毒・害民
[下接語]
加害・干害・患害・寒害・危害・害・去害・凶害・賈害・構害・刻害・酷害・災害・殺害・惨害・残害・自害・実害・除害・傷害・障害・侵害・深害・震害・水害・阻害・霜害・賊害・損害・天害・蠹害・毒害・迫害・被害・風害・弊害・防害・無害・厄害・有害・要害・利害・累害・冷害

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報