通常では関節強直のことをいい、関節の変形、機能不全を意味する。従来は関節が一定の角度のままに固着し、不動の状態となることをさしていたが、現在では、関節の角度には関係なく、関節に原発する変化によって、その可動性が障害されている状態を意味して使われる。関節以外の変化によるものは関節拘縮(こうしゅく)とよばれて、強直とは区別されるが、実際には両者の区別は容易でないため、関節の可動性が制限されている両者を硬直と一括される場合もある。原因としては、先天性、外傷(捻挫(ねんざ)、骨折、関節内傷、関節化膿(かのう)など)、関節疾患(急性関節炎、淋菌(りんきん)性関節炎、リウマチ熱、関節結核、関節リウマチなど)、関節の持続的静止(大腿(だいたい)骨骨折の治療による膝(ひざ)関節の持続的静止状態など)があげられている。こうした原因から、関節の相対する面が種々の程度に結合組織あるいは骨で癒着しあい、可動性が制限されているわけである。強直の状態によりマッサージ、矯正、牽引(けんいん)などの治療が行われるが、骨の癒着などによる強直の場合は、手術的方法、すなわち筋膜、皮膚などの物質を可動性にした関節面の中間に挿入する関節形成術が必要となる。治りにくい強直を残さないように予防することが、関節疾患の整形外科的治療においては重要である。
[渡辺 裕]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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