蛇足(故事)(読み)だそく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「蛇足(故事)」の意味・わかりやすい解説

蛇足(故事)
だそく

よけいなもの、なくてもよいむだなもの。「じゃそく」ともいい、転じて無益なこと、よけいなしわざをいう。中国戦国時代の楚(そ)の国で、乏しい酒をめぐって数人の男が、早く蛇の絵を書き上げた者が、それを飲むという約束で競争をした。最初に仕上げた男が、余裕を示そうとして、左手に巵(さかずき)をとり、右手で蛇の足を書き加えたため、失格して酒が飲めなかった、と伝える『戦国策』「斉策上」の故事による。

[田所義行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例