陳ずる(読み)チンズル

デジタル大辞泉 「陳ずる」の意味・読み・例文・類語

ちん・ずる【陳ずる】

[動サ変][文]ちん・ず[サ変]
申し述べる。言葉で述べる。
「力を極めて、其の得失を―・ずれども」〈竜渓経国美談
言い張る。主張する。釈明する。
「こんこんと奉行へも申し―・じ、ひたすらお取りなしを願っている様子で」〈野上秀吉利休
ごまかしを言う。うそをつく。
「こりゃ―・ずると為にならぬぞ」〈伎・韓人漢文〉
[類語]申し述べる話す語るしゃべるしゃべくる物言う口を利く伝える告げる言う述べる物語る打ち明ける明かす説明する述懐する告白する口外こうがいする他言たごんする言い出す言い掛ける言い始める言い話し込む話しかける発言する口に出す口にする口に上る口の端に掛かる口を開く口を切る吐く漏らす口走る抜かすほざくうそぶくおっしゃる仰せられるのたま申し上げる申す言上ごんじょうする

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精選版 日本国語大辞典 「陳ずる」の意味・読み・例文・類語

ちん‐・ずる【陳】

  1. 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]ちん・ず 〘 他動詞 サ行変 〙
  2. 申し述べる。ことばで述べる。口上を言う。
    1. [初出の実例]「奉教して志を御前に陳せんことを願ことがはや久ぞ」(出典史記抄(1477)一一)
    2. 「前に陳ずるが如く、諸美術妙想の形状は各同じからず」(出典:美術真説(1882)〈フェノロサ〉)
  3. いいわけをする。とやかくと言い張る。弁解する。釈明する。申し開く。
    1. [初出の実例]「爰に寺中乃所司大衆、此由を陳せむと須留処爾」(出典:東南院文書‐天喜四年(1056)四月二三日・東大寺所司等連署日記案)
  4. ごまかしを言う。いつわりを申し立てる。うそをつく。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「『こりゃ、陳(ちん)ずると為に成らぬぞ』『アア、申ます申ます』」(出典:歌舞伎・韓人漢文手管始(唐人殺し)(1789)一)
  5. 並べる。陳列する。
    1. [初出の実例]「盆卉の如き之を架上に陳す」(出典:東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉三)

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