十八番(読み)ジュウハチバン

デジタル大辞泉 「十八番」の意味・読み・例文・類語

じゅうはち‐ばん〔ジフハチ‐〕【十八番】

歌舞伎十八番」の略。
その人のいちばん得意とすること。得意の芸。おはこ
[類語]おはこ売り物お家芸お株お手の物得意特技得手達者専売特許上手堪能巧者得手物有能器用多才うまたく巧妙潰しが利くくする腕が立つ敏腕辣腕腕利き腕こき腕っこき手練てだれ手利き名人達人名手妙手エキスパート巨星巨匠名匠名工大家たいか権威第一人者泰斗たいと耆宿きしゅく大御所おおごしょオーソリティー巧手怪腕凄腕腕達者

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精選版 日本国語大辞典 「十八番」の意味・読み・例文・類語

じゅうはち‐ばんジフハチ‥【十八番】

  1. 〘 名詞 〙
  2. かぶきじゅうはちばん(歌舞伎十八番)」の略。
    1. [初出の実例]「右拾八番といふ事昔より歌舞妓狂言のいいならはしにて」(出典:随筆・三升屋二三治戯場書留(1837)上)
  3. 一般的に、その人の最も得意とするもの。得意の芸。おはこ。
    1. [初出の実例]「例の十八番を言ってりゃア〈略〉唯余所(よそ)の咄にして仕舞ひまはアナ」(出典人情本・春色江戸紫(1864‐68頃)三)

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音楽用語ダス 「十八番」の解説

十八番(おはこ)

おはこ、といえば自分の得意なレパートリーのこと。唄あり、踊あり、楽器演奏あり、人によってそのジャンルは様々。レパートリーとは元々倉庫のこと、倉庫にどれだけの荷物があるか、つまり音楽で言えば、曲の在庫があるか、と言うことになる。その曲の在庫の中でも最も得意な物を「おはこ」と呼ぶのだが、元々この言葉は歌舞伎から来ている。歌舞伎・市川家に伝わる荒事の演目、七世団十郎が言い出し九世がこれを大成。この「十八番」という演目は封印をした箱に納め、みだりに上演してはならぬとしたことから「おはこ」称して権威づけられた。「不破・ふわ」、「鳴神・なるかみ」、「暫・しばらく」、「不動・ふどう」、「嬲・うわなり」、「象引・ぞうひき」、「勧進帳・かんじんちょう」、「助六・すけろく」、「押戻・おしもどし」、「外部売・ういろううり」、「矢の根・やのね」、「関羽・かんう」、「景清・かげきよ」、「七つ面・ななつめん」、「毛抜けぬき」、「解脱・げだつ」、「蛇柳・じゃやなぎ」、「鎌髭・かまひげ」の十八種は必ずしも市川家に伝わるだけのものではない。

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とっさの日本語便利帳 「十八番」の解説

十八番(歌舞伎十八番)

→「日常生活で役に立つ!編 伝統芸能用語」の「歌舞伎十八番」

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世界大百科事典(旧版)内の十八番の言及

【歌舞伎十八番】より

…7世市川団十郎が制定した18の演目をいう。7世団十郎は,1832年(天保3)3月に長男の海老蔵に8世団十郎を襲名させ,自身は海老蔵を名のると発表したときに配った刷り物に,初めて〈歌舞妓狂言組十八番〉と題して18種の名目を掲げた。その後,40年の《勧進帳》初演に際し〈歌舞伎十八番の内〉と口上看板に明記した〈十八番〉を〈おはこ〉と呼び,得意芸の意にもつかわれるようになったが,なぜ18の数に決めたかは明らかでない。…

※「十八番」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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