日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ラッセル(Morgan Russell)
らっせる
Morgan Russell
(1886―1953)
アメリカ抽象絵画の先駆者。ニューヨーク生まれ。ヘンライに学び、1909年からパリでマチスに師事したのち、スタントン・マクドナルド・ライトとともにシンクロミズムsynchromismの創始者となった。ロベール・ドローネーのオルフィスムと並行した実験として13年に試作を発表しており、アメリカ人による最初の純粋色彩の試みといえる。三次元の立体的な量感を、平面に並置した色面のハーモニーによって表現しようというのがシンクロミズムで、明るい色彩をリズミカルに展開する快適な近代感覚に基づいている。
[桑原住雄]