嗅ぐ(読み)カグ

デジタル大辞泉 「嗅ぐ」の意味・読み・例文・類語

か・ぐ【嗅ぐ】

[動ガ五(四)]
鼻でにおいを感じとる。また、においのもと種類を識別する。「花の香りを―・ぐ」
隠れた事実を探り知る。探り出す。「人の秘密を―・いでまわる」
[可能]かげる
[類語]嗅ぎ付ける嗅ぎ出す嗅ぎ当てる耳聡い耳が早い早耳地獄耳目聡い目が早い先見の明予覚炯眼けいがん飛耳長目敏感鋭敏明敏さと犀利さいり気が利く嗅ぎ取る嗅ぎ分ける虫の知らせ虫が知らせる機敏俊敏賢い鋭い賢しい過敏利口利発聡明怜悧れいり慧敏穎悟えいご英明賢明シャープ第六感予感直感ひらめき察知インスピレーションぴんとぴんと来る鼻が利く感じ取る気が付く

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「嗅ぐ」の意味・読み・例文・類語

か・ぐ【嗅】

  1. 〘 他動詞 ガ五(四) 〙
  2. 嗅覚によってにおいを知る。鼻でにおいを感じとる。
    1. [初出の実例]「一切の世間の殊妙の香を、聞(カキ)たまふ時に」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)五)
    2. 「五月まつ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)夏・一三九)
  3. わかりにくいことを探り知る。勘を働かせて察知する。→嗅ぎ出す嗅ぎ付ける
    1. [初出の実例]「お客をかひであてよふか」(出典:洒落本・富賀川拝見(1782)尾竹屋の段)
    2. 「斯様に陳腐な秘密を嗅(カ)いで嬉しがる様に退屈を感じてはゐなかった」(出典:それから(1909)〈夏目漱石〉二)

嗅ぐの語誌

「香をカグ」という表現が中古初期から認められ、中世以降へと続く。「遊仙窟」の「聞香気」を訓点資料では真福寺本の「香き気を聞(カ)イ(テ)」をはじめとして、カグと訓んだと考えられるのに対し、元祿三年(一六九〇)の「遊仙窟抄」では「聞香気(カウハシキキヲキイテ)」と訓んでいる。中世においてカグとキクとの両様の言い方が生じたことについては、「大言海」の「聞香を、香をかぐと読むべきを、きくと、文字読に誤り読みたる語なり」との指摘参考になる。

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