普及版 字通 「投(漢字)」の読み・字形・画数・意味
投
常用漢字 7画
[字訓] なげる・すてる・おくる
[説文解字]
[字形] 会意
殳(しゆ)+手。〔説文〕殳字条三下に「杖を以て人を殊(ころ)すなり」(段注本)とあって、殳・殊は同訓。次条に「(たい)は殳なり」とあって、長さ丈二尺余、車上に植(た)てる杖である。また次条の(しゆ)に「軍の中士、持するの殳なり」とあって、みな兵杖をいう。投字条十二上に「(う)つなり」、字条に「一に曰く、投なり」とあって、投・(てき)を互訓とする。殳の上部の(しゆ)は、〔説文〕三下に「鳥の短なり」とあり、殳はその短羽を持つ形。おそらく呪飾に用いたものであろう。はその呪飾をつけた杖、その杖で殴(う)ち祓う行為を投という。邪悪のものを遠く四裔に放つことを投という。〔左伝、文十八年〕「(こ)れを四裔に投ず」という放の義が、その原義である。
[訓義]
1. なげる、すてる、遠くへやる。
2. おくる、はなつ、はなちやる。
3. なげだす、無用とする、身を沈める。
4. 合(答)と通じ、あう、かなう、くみする、加わる。
5. むかう、たよる。
6. とまる、いたる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕投 ナグ・イタル・ウツ・スツ・トル・カラム・オク・フルフ・オホフ・ナゲウツ・オモムク・ネムゴロナリ・アラタム 〔字鏡集〕投 ネムゴロ・シタタ・ナク・アラタム・オモムク・ナゲウツ・トル・イル・アフ・タタク・ウツ・イタル・カラム・トラフ・ウク・ツキ・オホフ・ナグ・シタガフ・ナラフ・カクム・ツク
[語系]
投do、・殳・zjioは声近く、は呪羽、を持つを殳、杖に著けるを、これを投じて祓うを投という。設sjiatは呪飾して祈る意であろう。・diekは呪器を以て(う)つ意、・tekはってその罪を(せ)める意である。
[熟語]
投隕▶・投裔▶・投影▶・投謁▶・投淵▶・投縁▶・投下▶・投火▶・投▶・投河▶・投果▶・投劾▶・投閣▶・投角▶・投轄▶・投閑▶・投間▶・投冠▶・投款▶・投▶・投艱▶・投棄▶・投帰▶・投寄▶・投幾▶・投機▶・投▶・投軍▶・投契▶・投瓊▶・投戟▶・投隙▶・投見▶・投険▶・投▶・投壺▶・投行▶・投効▶・投洽▶・投荒▶・投降▶・投鉤▶・投稿▶・投▶・投合▶・投笏▶・投梭▶・投策▶・投▶・投刺▶・投子▶・投死▶・投至▶・投贄▶・投射▶・投首▶・投宿▶・投出▶・投書▶・投身▶・投▶・投心▶・投進▶・投水▶・投井▶・投誠▶・投跡▶・投籍▶・投▶・投贈▶・投足▶・投体▶・投托▶・投地▶・投釣▶・投逓▶・投▶・投伝▶・投到▶・投匿▶・投拝▶・投晩▶・投▶・投筆▶・投分▶・投文▶・投袂▶・投歩▶・投暮▶・投報▶・投奔▶・投命▶・投明▶・投門▶・投籥▶・投与▶・投卵▶・投綸▶・投▶・投老▶
[下接語]
暗投・遠投・梭投・自投・順投・善投・速投・夜投・来投
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報