松本[市](読み)まつもと

百科事典マイペディア 「松本[市]」の意味・わかりやすい解説

松本[市]【まつもと】

長野県中部の市。1907年市制。松本盆地中部と東西の山地を占める。女鳥羽(めとば)川,薄(すすき)川の扇状地にある中心市街は古くは深志といい,信濃国府がおかれた地。県の西部と南部の中心都市で,松本城天守閣国宝)の城下町,西・野麦・善光寺・糸魚川諸街道が集まる要地として発達。篠ノ井線と大糸線の分岐点,松本電鉄の起点をなす。1964年新産業都市に指定され,1988年岡谷市から長野自動車道が開通して,中央自動車道と直結し,電気機器,食品,一般機器,化学などの工業が発展して,県内2位の製造品出荷額5439億円(2003)を上げている。リンゴ,ブドウの栽培もみられる。信州大学,1876年開設の開智学校(重要文化財),東部美ヶ原がある。西部は北アルプスの一部をなし,穂高岳乗鞍岳などのわが国を代表する高山がそびえ,景勝地として有名な上高地がある。中心部に近い浅間温泉,西部の乗鞍火山帯一帯に白骨温泉,中ノ湯温泉などの温泉も多い。中心市街地の一部には,江戸,明治期の街並が残り,伝統工芸品の民芸家具などを展示する蔵造りの店も多く,落ち着いた景観の観光都市となっている。市の南端部にある松本空港は1993年10月ジェット化のための工事が終わり,札幌大阪福岡などに結ばれる。安房トンネルが西隣の岐阜県高山市へ通じる。2005年4月東筑摩郡四賀村,南安曇郡奈川村,安曇村梓川村を,2010年3月東筑摩郡波田町を編入。978.47km2。24万3037人(2010)。
→関連項目信州大学

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