普及版 字通 「武(漢字)」の読み・字形・画数・意味
武
常用漢字 8画
[字訓] たけし・もののふ・あしあと
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
止(し)+戈(か)。止は趾の形で、(歩)の略形。戈(ほこ)を執って前進することを歩武という。〔説文〕十二下に〔左伝、宣十二年〕「楚の王曰く、夫(そ)れ武は功を定め、兵を(をさ)む。故に止戈を武と爲す」の文を引いて、武を止戈の義とするが、歩武の堂々たることをいう字である。〔詩、大雅、生民〕「の武(あしあと)の(おやゆび)を履(ふ)みて(う)く」の〔毛伝〕に「武は迹なり」とあり、〔国語、周語下〕に「武尺寸の」という語がある。また〔礼記、曲礼上〕に「堂上には武を接し、堂下には武を布(し)く」のように、その歩きかたをいう。武徳を称する語として古くから文武を対称し、殷・周の王に文・武を称するものがある。列国期の〔羌鐘(ひゆうきようしよう)〕に「武咸(ことごと)く剌(れつ)(烈)なり」の語がみえる。
[訓義]
1. たけし、つよい、いさましい、いさましいあるきかた、あしあと。
2. もののふ、武士。
3. 武の徳、文の徳に対していう。武威。
4. 兵法、兵術、兵器。
5. 一歩の間、三尺、あし、あとをつぐ。
6. 冠のまきひも、委武。
7. 舞、万舞。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕武 ツハモノ・シノグ・タケシ・ツグ・ツト・フム・アト・ホト・トラ 〔字鏡集〕武 タケシ・シノグ・ツハモノ・ツク・アト・ナシ・ム・トラ・アヤ・フム・ホト
[語系]
〔説文〕に武声として賦を収める。武miua、賦piuaは声が近く、通用することがある。
[熟語]
武帷▶・武威▶・武運▶・武衛▶・武偃▶・武科▶・武学▶・武楽▶・武冠▶・武毅▶・武戯▶・武伎▶・武議▶・武挙▶・武▶・武具▶・武訓▶・武勲▶・武軍▶・武芸▶・武健▶・武庫▶・武功▶・武才▶・武士▶・武師▶・武守▶・武術▶・武将▶・武臣▶・武人▶・武生▶・武節▶・武装▶・武卒▶・武断▶・武怒▶・武道▶・武徳▶・武備▶・武尾▶・武敏▶・武夫▶・武舞▶・武弁▶・武歩▶・武▶・武猛▶・武勇▶・武略▶・武旅▶・武力▶・武烈▶
[下接語]
威武・允武・英武・睿武・閲武・偃武・演武・驍武・玄武・校武・講武・剛武・豪武・材武・習武・武・尚武・象武・踵武・神武・振武・崇武・聖武・接武・壮武・騁武・怒武・黷武・伐武・不武・布武・奮武・文武・兵武・歩武・右武・勇武・雄武・用武・耀武・霊武・烈武・練武
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報