伏線(読み)フクセン

デジタル大辞泉 「伏線」の意味・読み・例文・類語

ふく‐せん【伏線】

小説戯曲などで、のちの展開に備えてそれに関連した事柄を前のほうでほのめかしておくこと。また、その事柄。「主人公行動伏線を敷く」
あとのことがうまくゆくように、前もってそれとなく用意しておくこと。また、そのもの。「断られたときのために伏線を張る」
[類語]前前かねてかねがね何時か既往これまで従来従前し方先年当年一時一頃その節先に当時古来あらかじめ年来旧来在来その昔前以て先立ってかつてすでに見越し先刻早め根回し手回し早手回し手を回す地固めなら布石事前先手手当て準備下準備段取り手筈てはず下見予習備えつとにとうにとっく示し合わせる言い合わせる申し合わせる打ち合わせる口裏を合わせる

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精選版 日本国語大辞典 「伏線」の意味・読み・例文・類語

ふく‐せん【伏線】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 文章技法の一つ。小説、戯曲などで、後に述べる事柄の準備のために、関連した事柄を前の方でほのめかしておくこと。また、そのもの。
    1. [初出の実例]「所云(いはゆる)伏線は、後に必出すべき趣向あるを、数回以前に、些(ちょと)墨打(すみうち)をして置く事也」(出典読本南総里見八犬伝(1814‐42)九)
  3. 後の事に備えて、予め設けておくこと。また、そのもの。
    1. [初出の実例]「若しも否めばお前さんはドウだと暴れて遣らうと云ふ強身の伏線(フクセン)がある」(出典:福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉一身一家経済の由来)

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