言合せる(読み)イイアワセル

デジタル大辞泉 「言合せる」の意味・読み・例文・類語

いい‐あわ・せる〔いひあはせる〕【言(い)合(わ)せる】

[動サ下一][文]いひあは・す[サ下二]
前もって話し合う。話し合って取り決める。申し合わせる。「―・せた場所で待つ」
口をそろえて言う。同じことを言う。
「あはれなるもをかしきも―・せたるこそをかしけれ」〈・一八一〉
相談する。
「いかにせましと思ひやすらひて、これかれに―・すれば」〈かげろふ・下〉
[類語]約束約する取り決める申し合わせる契る誓う請け合う言い交わす契りを結ぶ契りを交わす前前かねてかねがね何時か既往これまで従来従前し方先年当年一時一頃その節先に当時古来あらかじめ年来旧来在来その昔前以て先立ってかつてすでに見越し先刻早め根回し手回し早手回し手を回す地固めなら布石事前先手手当て準備下準備段取り手筈てはず下見予習備え伏線つとにとうにとっく示し合わせる打ち合わせる口裏を合わせる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「言合せる」の意味・読み・例文・類語

いい‐あわ・せるいひあはせる【言合】

  1. 〘 他動詞 サ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]いひあは・す 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙
  2. 話し合う。互いに話す。
    1. [初出の実例]「まづはかなき事も、おのれといひあはするに」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上上)
  3. 親しく相談する。
    1. [初出の実例]「いひあはすべきこともあればただいまわたる」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
  4. 前もって話し合っておく。申し合わせる。口約束する。
    1. [初出の実例]「この男ども、〈略〉おどしてはしらせて、笑はんといひあはせて」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)二)
  5. うまく事実に合うように表現する。言い当てる。
    1. [初出の実例]「『めくら』といふにつきて、〈略〉『鼻くら』にいひあはせたるが、おかしき事の一也とか」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android