既に(読み)スンデニ

デジタル大辞泉 「既に」の意味・読み・例文・類語

すんで‐に【▽既に/×已に】

[副]《「すでに」の撥音添加》もう少しで、ある好ましくない事態になりそうなさま。あやうく。すんでのこと。すんでのところ。「―おぼれるところだった」
[類語]ほとんど・すんでのこと・すんでの所・どうにかこうにか・どうにか・やっと・ようやく・なんとか・かろうじて・からくも・やっとこさ・間一髪・危なく・あわや・すれすれ・ようやっと・どうかこうか・かつがつ・どうやらこうやら・曲がりなりにも・やっとの事で・まだしも・まだ・えんやらやっと・ようよう・危うく・九死に一生を得る・まあ・まあまあ・よっぽど・かなり・なかなか・わりあい・わりかた・わりかし・割に・比較的・まずまず・かすかす・どうやら・なんとかかんとか・そこそこ・それなり・増し・次善・可・セカンドベスト・ベター・及第・無難・ほどほど・捨てたものではない・満更まんざらでもない・未いまだし・未いまだ・不徹底・不十分・及ばずながら・不全・不完全・どうなりこうなり・一応・急場しのぎ・当座しのぎ・一時しのぎ・その場しのぎ・最早もはや・畢竟ひっきょう・結局・やはり・所詮・どの道・いずれにしても・結句・遂に・とどのつまり・詰まるところ・帰するところ・詮ずるところ・要するに・いずれ・どうせ・つまり・とうとう・いよいよ・挙げ句・挙げ句の果て・差し詰め・究竟きゅうきょう・果ては・何と言っても・どっち道・とにかく・何しろ・何せ・何分なにぶん・何分なにぶんにも・なんにせよ・ともかく・ともかくも・ともあれ・とまれ・とにもかくにも・それはともあれ・遅かれ早かれ・善かれ悪しかれ・遅ればせ・思い通り・やっとこせ・やっとこ・からがら・命からがら・心ならず・一杯一杯・精一杯・たかだか・せめて・せめても・首の皮一枚・ぎりぎり・ほうほうの体てい・滑り込み・漕ぎ着ける・冷や汗をかく・危機一髪・きわどい・薄氷を履ふむ・サバイバル・虎口を脱する・やれやれ・命冥加・一髪・一髪千鈞せんきんを引く・とりあえず・ひとまず・間に合わせる・何はさておき・何はともあれ・差し当たり・まんまと

すで‐に【既に/×已に】

[副]
1 ある動作が過去に行われていたことを表す。以前に。前に。「―述べた事柄」
2 その時点ではもうその状態になっていることを表す。もはや。とっくに。「彼は―おとなだ」「手術はしたものの―手後れだった」
3 動かしがたい事実であることを表す。どう見ても。現に。「この事が―権威の失墜を物語っている」
4 すっかり。まったく。
「天の下―覆ひて降る雪の光を見れば貴くもあるか」〈万・三九二三〉
5 ある事態が近づいていることを表す。もう少しで。今にも。
「仏御前はすげなう言はれ奉って―出でんとしけるを」〈平家・一〉
[類語]早早はやばや・早早そうそう・早め・尚早・もう・最早もはや・早はや・早くも・今や・とっくに・とうに・とうの昔・とっくの昔・つとに・先刻・昔・過去・以前・曽て・在りし日・往年・往時・往日・旧時・昔日・昔時・昔年・往昔・往古・古昔・古いにしえ・古く・その上かみ・当時・前前・かねて・かねがね・何時か・既往・これまで・従来・従前・来こし方・先年・当年・一時・一頃・その節・先に・当時・古来・あらかじめ・年来・旧来・在来・その昔・太古・千古・大昔・前以て・先立って・かつて・見越し・根回し・手回し・早手回し・手を回す・地固め・地均ならし・布石・事前・先手・先手を打つ・手当て・準備・下準備・段取り・手筈てはず・下見・予習・備え・伏線・示し合わせる・言い合わせる・申し合わせる・打ち合わせる・口裏を合わせる

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精選版 日本国語大辞典 「既に」の意味・読み・例文・類語

すで‐に【既に・已に】

  1. 〘 副詞 〙
  2. ① 少しも残るところなくすべてにわたるさま、完全にそうなるさまを表わす語。全く。すっかり。
    1. [初出の実例]「已(すでに)訓に因りて述ぶれば詞心に逮ばず」(出典:古事記(712)序)
    2. 「天の下須泥爾(スデニ)覆ひてふる雪の光を見れば貴くもあるか」(出典:万葉集(8C後)三九二三)
    3. 「御鷹師すでに赤面し、頭を地に付け、その人の名を申さんとしける」(出典:仮名草子・浮世物語(1665頃)三)
  3. ② ( 下に完了、過去を表わす語を伴って ) 事が終わった状態を表わす。以前に。先に。とっくに。もう。また、過程を経て、ことが現実に至るさまを表わす。とうとう。
    1. [初出の実例]「君により吾が名は須泥爾(スデニ)立田山絶えたる恋のしげき頃かも」(出典:万葉集(8C後)一七・三九三一)
    2. 「旧都をばすでにうかれぬ、新都はいまだ事ゆかず」(出典:平家物語(13C前)五)
  4. ③ ( 下の文を断定の表現で結んで ) 動かしがたい事実であるさまを表わす。まぎれもなく。まさに。ちょうど。現に。ほとんど。
    1. [初出の実例]「寄て見るに、射たる所の虎、既に虎に似たる岩にて有り」(出典:今昔物語集(1120頃か)一〇)
    2. 「生あるもの、死の近き事を知らざる事、牛、既にしかなり。人、また同じ」(出典:徒然草(1331頃)九三)
  5. ④ ( 多く下に推量の語を伴って ) 事が近づいた状態を表わす。もう少しで。すんでの事に。もはや。まもなく。
    1. [初出の実例]「月満て既に産するを待つ程に」(出典:今昔物語集(1120頃か)九)
    2. 「金の柱霜雪に朽て、既頽癈空虚の叢と成べきを」(出典:俳諧・奥の細道(1693‐94頃)平泉)

既にの語誌

上代は①②の語義に限られている。中古に入ると、もっぱら漢文訓読体の語として用いられ、和文では「はやう」が用いられた。後に和漢混淆文を契機として広く使われるようになり、③④の語義も見られるようになる。


すんで‐に【既に・已に】

  1. 〘 副詞 〙 ( 「すでに」の変化した語 ) もうちょっとのところで。すんでのこと。
    1. [初出の実例]「すんてにとがめうとしたよ」(出典:杜詩続翠抄(1439頃)八)
    2. 「宿(しゅく)もすんでに十一宿、その道のりも二十五里」(出典:歌舞伎・独道中五十三駅(1827)二幕)

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