導く(読み)ミチビク

デジタル大辞泉 「導く」の意味・読み・例文・類語

みち‐び・く【導く】

[動カ五(四)]
道案内をする。案内して目的の所に連れていく。「車を迂回路に―・く」「客を席に―・く」
正しい方向に手引きをする。指導する。「生徒を―・く」「神に―・かれる」
物事がそうなるように働きかける。事柄をある方向へ動かす。「状況を有利に―・く」
答え結論を引き出す。「結論を―・く」「解決方法を―・く」
男女の間を仲介する。手引きをする。
「よに忘れず恋しくのみおぼえさせ給へるに、仏―・き給へるにこそありけれ」〈落窪・二〉
[可能]みちびける
[類語]助言教示訓示アドバイスコンサルティングカウンセリング指導導き教え手引き指南教授教育訓育教導補導ほどう善導誘掖ゆうえき鞭撻べんたつ手ほどき教習コーチ伝授する講義する講ずる仕込むたたき込む育てる仕付ける教鞭を執る薫育教化教学文教育英教えるガイダンス手を取る示教指教徳育知育体育矯正薫陶入れ知恵洗脳感化徳化醇化啓発啓蒙

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「導く」の意味・読み・例文・類語

みち‐び・く【導】

  1. 〘 他動詞 カ行五(四) 〙 ( 「道引く」の意 )
  2. 道案内をする。道しるべをする。案内する。
    1. [初出の実例]「もろもろの 大御神たち 船舳(ふなのへ)に 道引(みちびき)申し」(出典万葉集(8C後)五・八九四)
  3. 人として進むべき道や、よりよくなるべき道を教え示す。指導する。
    1. [初出の実例]「神仏こそは、さるべき方にも、みちびきしらせたてまつり給はめ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)玉鬘)
  4. 手びきをする。なかだちをする。
    1. [初出の実例]「さらば、みちびき給ふべきにこそあなれ。心ぼそき独り寝のなぐさめにも、などの給ふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)明石)
  5. それとなく人を誘い、連れて来る。
    1. [初出の実例]「恋しくのみおぼえさせ給へるに、仏みちびき給へるにこそありけれ」(出典:落窪物語(10C後)二)
  6. あるものをひき入れる、また、ある結末をひき出す。ある状態に至らせる。
    1. [初出の実例]「深く隠退せられたる有様は、最も世の尊信を誘くの源因となれり」(出典:日本開化小史(1877‐82)〈田口卯吉〉六)

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