精選版 日本国語大辞典の解説
あん‐ぜん【暗然・闇然】
〘形動ナリ・タリ〙 (現代では多く「暗然と(して)」の形で用いられる)
① 暗いさま。また、黒いさま。
※玉葉‐承安元年(1171)一一月二一日「此間、漸以暗然、依レ仰頼実取二脂燭一、参上、尚以暗」
※浮世草子・宗祇諸国物語(1685)二「前後闇然(アンセン)として行先も見えず」 〔史記‐孔子世家〕
② はっきりしないさま。あいまいな様子。
※玉葉‐嘉応元年(1169)正月七日「自身作法尚以暗然、於二他人之礼儀一哉」 〔礼記‐中庸〕
③ 悲しみに心がふさぐさま。気落ちしたさま。
※愚迷発心集(1213頃)「豈只暗然として徒に有難き日月を送らんや」
※太平記(14C後)三「余りに暗然(アンぜん)として守り居たるも云甲斐なし」 〔江淹‐別賦〕
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