(読み)レキ

デジタル大辞泉 「歴」の意味・読み・例文・類語

れき【歴】[漢字項目]

[音]レキ(漢) リャク(呉) [訓]へる
学習漢字]5年
ある地点・時点・立場などを順次に通っていく。へる。「歴戦歴程歴任歴年歴訪歴遊巡歴遍歴
代々にわたる。「歴仕歴世歴代歴朝
経てきた跡。「歴史閲歴学歴経歴職歴戦歴前歴病歴来歴履歴略歴
はっきりと区別されるさま。「歴然歴歴
[名のり]つね・ふる・ゆき
[難読]れっきとした

れき【歴】

名詞の下に付いて、そのことの経験の意を表す。「渡航を調べる」「逮捕がある」「ゴルフ3年」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「歴」の意味・読み・例文・類語

れっき【歴】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙 ( 「れき」の変化した語。多く「れっきとした」の形で用いる )
  2. 身分家柄などの高いさま。その存在価値などが確かなものとして、周囲から認められているさま。
    1. [初出の実例]「在所にれっきと親も有」(出典:浄瑠璃・卯月の紅葉(1706頃)上)
  3. ととのっていてりっぱなさま。きちんとしたさま。
    1. [初出の実例]「ずるずるべったりとつぶれて居たが、なんとれっきとし、ヘンあんまりれっきともしねへけれどサ」(出典:滑稽本・八笑人(1820‐49)三)
  4. 明白であるさま。はっきりとしているさま。
    1. [初出の実例]「九十九夜通ひしれんぼれれつこそれっきとしたるかた思なれ」(出典:狂歌・徳和歌後万載集(1785)八)

れき【歴】

  1. [ 1 ] 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙 ( 多く「れきとした」の形で用いられる ) =れっき(歴)
    1. [初出の実例]「歴(レキ)とした証拠があっても、兎角に外人が対敵であっては」(出典:内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙一一)
  2. [ 2 ] 経歴。経験。多く、他の語と複合して用いる。「釣り歴は長い」「ゴルフ歴二〇年」「逮捕歴」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「歴」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

(旧字)
人名用漢字 16画

[字音] レキ
[字訓] けみする・すぎる・かぞえる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
旧字はに作り、(れき)声。は厂(かん)(崖)下に両禾(りようか)を立てた軍門の象。軍行において経歴するところ、またその功歴のあることをという。〔説文〕二上に「(よぎ)るなり」、〔伝〕に「傳ふるなり」の訓を加える。もと功歴の意であるが、のちすべて時所を経過することをいい、歴世・歴代のようにもいう。

[訓義]
1. けみする、軍行においてすぎる、軍の功歴とするところ。
2. すぎる、ときがすぎる、経験する、久しい。
3. かぞえる、かぞえあげる、功歴をしらべる。
4. えらぶ、ならべる、まじえる、みだれる。
5. まばら、たがいに、わかつ。
6. あきらか。
7. 暦と通用する。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕 アマネシ・ヘテ・ヘタリ・フ 〔字鏡集〕 カゾフ・トホシ・スギタリ・トトノフ・アマネシ・ヘテ・ユク・フ・ツネ・カフ・ヘダツ・ツタフ・ツク・ヒロシ・イロフ・エラブ・ヘタリ

[声系]
〔説文〕に声として櫪・瀝など三字を収める。櫪は櫪(れきし)、指攻めの木、瀝は淅瀝(せきれき)のように水の音をいう。擬声的な語である。

[語系]
(暦)・lyekは同声。もと軍行において経歴するところ。またその功歴などを称する語であった。語彙は暦字条参照。

[熟語]
歴閲・歴遠・歴階・歴官・歴観・歴紀・歴久・歴級・歴挙歴稽歴険歴忤歴劫・歴載・歴歳・歴算・歴史・歴指・歴試・歴仕・歴視・歴事・歴次・歴時・歴日・歴旬・歴巡・歴渉・歴象・歴職・歴人・歴数・歴世・歴選・歴然・歴代歴詆歴抵・歴任・歴年・歴物・歴分・歴法・歴訪・歴本・歴問・歴遊・歴葉・歴来・歴落歴剌・歴乱歴覧・歴歴・歴練・歴鹿・歴録
[下接語]
閲歴・延歴・学歴・経歴・行歴・仕歴・周歴・巡歴・渉歴・職歴・戦歴・践歴・前歴・多歴・探歴・通歴・的歴・典歴・転歴・登歴・辟歴・霹歴・歴・遍歴・綿歴・捫歴・踰歴・游歴・遊歴・陽歴・来歴・履歴・累歴

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