無双(読み)ムソウ

デジタル大辞泉 「無双」の意味・読み・例文・類語

む‐そう〔‐サウ〕【無双】

二つとないこと。並ぶものがないほどすぐれていること。無二。ぶそう。「無双の大力」「天下無双
衣服の表と裏を同一の布地で仕立てること。また、そのもの。夢想
相撲で、相手の差し手を抱え込み、手を相手の内股または外股に当てて反対側からひねり倒す技。内無双外無双がある。「無双を切る」
[補説]1から派生して、俗に「無双する」の形で、非常に強い者が一人勝ちをする意で使うこともある。
[類語]無比無類無二唯一比類の無い・類が無い・類を見ない・比べ物にならない・並び無い・例えようも無い・底知れない単数単一単独単身単発単品又と無い比類ない類いまれ又無いめった千載一遇時機機会チャンス好機時節頃合い頃おいときおり機運潮時潮合い時宜機宜適期てっき時分時分どき商機勝機戦機タイミング得難いまれかけがえのない希有けう盲亀もうき浮木ふぼく一期一会いちごいちえ見せ場決め所思いがけない思いがけず待てば甘露の日和ひよりあり折よく僥倖ぎょうこうここぞ一世いっせ一代最初で最後図らずも決定的瞬間契機

ぶ‐そう〔‐サウ〕【無双】

[名・形動ナリ]むそう(無双)1」に同じ。
「資貞は―の弓矢取りにて」〈太平記・六〉

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精選版 日本国語大辞典 「無双」の意味・読み・例文・類語

む‐そう ‥サウ【無双】

〘名〙
① (形動) 並ぶものがないこと。比べるものがないこと。二つとないこと。また、そのさま。無二。無比。ぶそう。
※信心録(ヒイデスの導師)(1592)三「Deus ワ ゼン ノ タッシタル ゴ ミャウキャウ ニテ マシマス ト イエドモ、musǒ(ムサウ) ノ Spiritual ゴ シャウタイ ニテ マシマス ニ ヨッテ」
※今弁慶(1891)〈江見水蔭〉六「世界無双(ムサウ)の大力御覧に入れ申すべし」 〔荘子‐盗跖
② (「夢想」とも書く) 器具などが、不思議な、または巧妙な作り方であること。また、そのもの。
※雑俳・柳多留拾遺(1801)巻八上「若後家のたばこむさうの箱から出」
③ (「夢想」とも書く) 衣服が、裏返しても着られるように、表裏とも同じ布地で同じ体裁にできていること。また、そのもの。
※浮世草子・男色木芽漬(1703)三「むさうの袷に着換へさせ」
※青春(1905‐06)〈小栗風葉〉春「庇裏の夢想(ムサウ)から白い湯気を吐き散らして居る」
⑤ 相撲の投げわざの一つ。片手を相手のももに当てて投げ倒すもの。内無双(うちむそう)と外無双(そとむそう)がある。

ぶ‐そう ‥サウ【無双】

〘名〙 (形動) 比べるものがないこと。ならぶものがないこと。二つとないこと。また、そのさま。無二。無比。むそう。
※和漢朗詠(1018頃)下「東平蒼が雅量、寧ろ漢皇褒貴の無双の弟にあらずや〈菅原文時〉」
※高野本平家(13C前)二「まことに無双(ブサウ)碩徳天下第一高僧にておはしければ」 〔新序‐雑事二〕

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普及版 字通 「無双」の読み・字形・画数・意味

【無双】むそう(さう)

世に並ぶものがない。無比。〔後漢書、儒林下、許慎伝〕少(わか)くして、く經を學ぶ。馬融、常に之れを推す。時人之れが語を爲して曰く、五經無雙、許叔重(叔重は許慎の字(あざな))と。

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百科事典マイペディア 「無双」の意味・わかりやすい解説

無双【むそう】

無双仕立て。衣服の表と裏を同じ布で仕立てること。長襦袢(じゅばん)の袖(そで)などに多く用いられる。また同じ布で表裏異なった色を用いた無双羽織などもある。

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デジタル大辞泉プラス 「無双」の解説

無双

プロレスの技のひとつ。抱え上げた相手を背中から床に叩きつける浴びせ技。日本人レスラー、力皇猛のオリジナル技。

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