総持寺(大阪府)(読み)そうじじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「総持寺(大阪府)」の意味・わかりやすい解説

総持寺(大阪府)
そうじじ

大阪府茨木(いばらき)市総持寺にある寺。高野山真言(こうやさんしんごん)宗の準別格本山。西国(さいごく)三十三所第22番札所。山号は補陀洛山(ふだらくさん)。本尊千手(せんじゅ)十一面観世音菩薩(ぼさつ)。886年(仁和2)藤原鎌足(かまたり)第8世山陰中納言政朝(やまかげちゅうなごんまさとも)の創建。890年(寛平2)政朝の三回忌の追福に、7男7女の子らが同心協力して大伽藍(がらん)を建立し、落慶の儀を修した。政朝は料理の名人で、山陰流庖丁(ほうちょう)式の開祖と仰がれている。その後、一条(いちじょう)、後一条(ごいちじょう)、白河(しらかわ)、鳥羽(とば)各天皇の勅願寺として栄え、山城(やましろ)(京都府)の門跡(もんぜき)寺院浄土寺の末寺とされた。1571年(元亀2)織田信長の兵火にかかって全焼したが、本尊は下半身が焼けたのみで焼け残ったと伝え、以来、火除(ひよ)け観音として信仰されている。本堂は、豊臣秀頼(とよとみひでより)が片桐且元(かたぎりかつもと)に命じて1603年(慶長8)に再建したものである。寺宝には、阿弥陀如来(あみだにょらい)像、弁才天像(土佐光重(みつしげ)筆)、釈迦涅槃(しゃかねはん)像、御朱印などがある。

[野村全宏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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