罰(漢字)

普及版 字通 「罰(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

(異体字)罸
15画

[字音] バツ
[字訓] つみ・とがめ

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
詈(り)+刀。詈は、盟誓(言)が真正でないときに、その上に网(あみ)を加え、不実であることを示す。ゆえに詈(ののし)る意となる。罰はさらに刀を加えて器を破棄し、盟誓を無効とすることで、ひろく刑罰をいう。〔説文〕四下に「(つみ)の小なるなり。刀詈に從ふ。未だ刀を以てするらざるも、但だ刀を持して罵詈(ばり)するのみにても、則ち應(まさ)に罰すべし」とするが、誓約の違反者を罰する意。〔書、湯誓〕に「天の罰を致す」とあり、もと神明の咎(とが)をいう。金文の〔師鼎(しきてい)〕に、軍律に背くものに「廼(すなは)ち罰す」とあり、また〔散氏盤〕に、契約の違反者に対して「則ち爰((かん))千、罰千、之れを傳(国外追放)せん」という。爰は違約金、罰は体罰の意であろうが、これは契約の際の常用の語であったのであろう。

[訓義]
1. つみ、盟誓にそむくつみ、とがめ。
2. しおき、刑罰。
3. 罪に対するつぐない。

[古辞書の訓]
名義抄〕罰 ウツ・コロス・ツミ

[熟語]
・罰・罰金・罰罪・罰作罰爵・罰酒罰贖・罰神・罰責罰則罰懲・罰典・罰杯罰俸・罰約・罰例
[下接語]
勧罰・刑罰・譴罰・厳罰・辜罰・降罰・処罰・賞罰・神罰・慎罰・審罰・責罰・撻罰・致罰・誅罰黜罰懲罰陟罰天罰・薄罰・必罰・仏罰・鞭罰・墨罰・冥罰・妄罰・濫罰

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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