デジタル大辞泉 「霊山」の意味・読み・例文・類語
れい‐ざん【霊山】
[類語]山・山岳・高山・小山・山山・山並み・連山・連峰・山脈・山塊・山系・山地・山岳地帯・名山・秀峰・高峰・最高峰・高嶺・大山・巨峰・主峰・霊峰
阿武隈高地の北部、霊山町と相馬市の境界に位置。標高八二三・五メートル。国指定史跡及び名勝。中腹以下の傾斜はゆるやかであるが、山頂付近は新第三紀初期の火山活動によって噴出した霊山層からなり、玄武岩・火山角礫岩・安山岩などの硬い岩層であるため、浸食に耐えて周辺より一段高いテーブル状の山容を呈する。とくに西側は浸食が進み、塔状の奇岩が連続する。北方に
寛文五年(一六六五)の霊山寺縁起(霊山寺蔵)によると、貞観元年(八五九)円仁によって開かれたと伝える。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
福島県北東部、伊達郡(だてぐん)にあった旧町名(霊山町(まち))。現在は伊達市霊山町地区で、市の中部に位置し、霊山の西側、広瀬川の中流域を占める地域。旧霊山町は、1955年(昭和30)掛田(かけだ)町と石戸(いしど)、霊山、小国(おぐに)の3村が合併して成立。2006年(平成18)伊達、梁川(やながわ)、保原(ほばら)、月舘(つきだて)の4町と合併して市制施行、伊達市となった。国道115号、349号が通じる。相馬市境の霊山には平安時代に霊山寺が建立された。南北朝時代には北畠顕家(きたばたけあきいえ)が霊山城として拠(よ)り、南朝方の重要拠点となった。中心地区の掛田は広瀬川の支流小国川の中流域にあり、室町時代に懸田氏(かけたうじ)が拠った茶臼館(ちゃうすたて)(古城山)があり、根小屋起源の村と思われる。近世は蚕種、生糸の生産地で、近代には「掛田折返し糸」で知られ、養蚕伝習所もあった。また川俣(かわまた)街道の宿場でもあった。大石(おおいし)川沿いには霊山山頂にあった霊山寺の法灯を継ぐという霊山寺や、北畠顕家らの一族を祀(まつ)る霊山神社がある。養蚕は衰退したが、施設園芸、果樹栽培、シイタケ栽培などが行われる。霊山は国指定史跡・名勝で、霊山県立自然公園域。
[安田初雄]
『『霊山町史』全4巻(1979~1992・霊山町)』
福島県北東部、相馬市(そうまし)と伊達市(だてし)霊山町地区の境界にある山。三角点の標高825メートル。阿武隈高地(あぶくまこうち)の北部にあり、山名は、かつてこの山にあった慈覚(じかく)大師円仁(えんにん)の開基と伝えられる霊山寺にちなむ。基盤は花崗閃緑(かこうせんりょく)岩で、その上に新第三紀の火山角礫(かくれき)岩を主とする霊山層が載り、それが長年の侵食、風化作用でとくに西側に急崖(きゅうがい)を形成する。奇岩が屹立(きつりつ)するが、頂上は平坦(へいたん)面として残る。岩塊流その他の化石もみられ、周氷河地形もある。山上、山麓には霊山寺跡があり、南北朝時代には一部伽藍を利用して陸奥守(むつのかみ)北畠顕家(きたばたけあきいえ)が義良親王を奉じて足利(あしかが)側と戦った霊山城跡、顕家が多賀城から移した国司館跡などがあり、霊山全体が国の史跡・名勝に指定されている。また霊山県立自然公園ともなっている。
[安田初雄]
福島県伊達市と相馬市にまたがる阿武隈高地北部の山。標高825m。国の史跡,名勝。中腹以下は花コウ岩からなり傾斜もゆるやかであるが,山頂付近は,新第三紀初期の火山活動によって噴出した霊山層からなり,火山角レキ岩,安山岩,玄武岩などの硬い岩層からできているので,浸食に抗し,周辺より一段高いテーブル状の山形をなしている。特に西側と南西側は浸食が進み断崖をなし,鷲岩,離岩,東の物見岩,西の物見岩などの塔状の奇岩が連なり,秋の紅葉期にはみごとな景観を呈する。石田川の谷沿いには国道115号線が通じている。山名は,慈覚大師円仁が天竺の霊鷲山(りようじゆせん)にちなんで859年(貞観1)に開いた霊山寺に由来するといわれる。また山頂には,南北朝時代の1337年(延元2・建武4)陸奥国司北畠顕家が義良(のりよし)親王を奉じて拠った霊山城跡(史)があり,北西山麓には北畠氏をまつる霊山神社がある。
執筆者:大澤 貞一郎
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…その頂が鷲の姿に見えることから,サンスクリットではグリドラクータGṛdhrakūṭa(〈鷲の峰〉の意)と呼ばれ,耆闍崛多(ぎしやくつた)と音写されるため,耆闍崛山(ぎしやくつせん)とも称される。霊鷲山は意訳で,霊山(りようぜん)とも略される。釈迦が説法した地として有名で,大乗経典の《法華経》《無量寿経》もここで説かれたとされる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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